ストレイドッグ

Destroyer 2018 Karyn Kusama

邦題なんでこうなった。野良犬ではなくないですか。一匹狼的なところはあるけれども。

ともあれ。綺麗な人はなぜ汚したがるのだろうか。こんなに汚しても綺麗なわたし…なのか…わたしだって汚れ役ができるのよ!なんだろうか。よくわからない。この役がやりたいけどわたしは綺麗すぎるから汚すんだろうか。

シャーリーズセロンのアプローチと似ているようだけど、ニコールキッドマンのこれはなんかちょっと違う気がしたな。汚して強さが見えるのがシャーリーズ、汚したらもっとフラジャイルなところが強調されるのがニコールって感じ。グーパンチしても、リアルな感じがイマイチなかった、けど、そんなのどうでもいいです。

ストーリーにはひねりというか、メビウスの輪みたいなところがあるから、そこで、ハッとするよね。

FBIの潜入捜査にバディとして抜擢されたLAPDの若い女性刑事エリン。バディがあんないい男だったら惚れますよね、ええ。見た目だけじゃなくて、とても善き人で、あんまり描かれないけど、正義感とか、仕事に対する真面目さとか才能とかもちゃんとありそうじゃない。

エリンはその潜入捜査の失敗を10年以上引きずってるんだけど、その執念みたいなものがなぜ…というのはクライマックス以降に明かされるんだけど、なんとなくこの構成が良いのか悪いのかわからない…ちょっと陳腐なのかな…。

ちょっと残念なのは、エリンがどう育ってきて、どんなふうに世の中を見ているのか、そう見ているのはなぜなのかを娘のシェルビーの口から説明台詞のようにしか聞けなかったことかな…。それってこの人がこういう生き方してるのはどうしてなのかの大事なとこだから、クリスとのピロートークでいいから、エリンの口から、感情を伴って聞きたかったなあ。

クリス(セバスチャン)はとても善き人だと思うけど、惚れた弱みなのか、道を踏み外してしまうわけじゃないですか。多分エリンの持つ負のパワーみたいなのがすごいんだと思うんだけど(やっぱりこれ必要だと思うなあ…なんでこうなったのか、子供時代のエリン)堕ちてしまうわけじゃないですか、でも、結果として彼の持つ本来の善さが仇となる訳だし、そんな善き人を負のパワーで曲げてしまったことに対するエリンの贖罪みたいなことなわけですし…。

そうそれで、クリスも偉いけど、実はイーサンすごく偉くないですか。この辺りもなんか描き方がうっすいんだけど、大事じゃないですか、シェルビーとの関わりとか。そしてイーサンにうっっすらクリスの面影があるのいいっすね。

あと、ちょっとどうかなーっていうのが、サイコパスな犯罪者サイラス…トヒーケベルは悪くないけど、カリスマ性みたいなのが今ひとつじゃなかった…?ペトラがぞっこんなんだ〜っていうものの説得力とか…な…。

突然現れるスローモーションとか風景とか、わりと叙情的な映像はそんなに悪くないと思った。むしろ、ベージュのワントーンの平屋の銀行の外に車停まってるとかそういういかにもアメリカの乾燥した感じの映像の方が好きだったかもだけど。

総じて作品としては割と好きでした。最後の方エリンの悲恋として泣いたし。

セバスチャン観ようかと、US版のBlu-ray買ったけど積んであるので見直そうかな。