レヴェナント

The Revenant(2015 Alejandro G. Iñárritu)(20世紀フォックス映画 2016年4月22日)

http://www.imdb.com/title/tt1663202/

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もう、だいぶ前に観たのに全然感想書いてなかったので、頭に残っているうちに書かねば…という感じで書いております。

ディカプリオがやっとオスカーを獲ったということで、ディカプの演技がイマイチ好きじゃないんだけどなーと思いながら観ました。まあ、やっぱりあんまり好きじゃあないようです。


監督は、アレハンドロ G イニャリトゥ、撮影監督はエマニュエル ルベツキ、音楽は坂本龍一です。字幕翻訳は松浦美奈。


南北戦争よりも前、ヨーロッパから一攫千金でやってきた人たちが、ネイティブアメリカン(彼らは彼らでもともと部族間の争いもあった)たちを蹴散らして動物を狩り、皮だけを剥いで商売にしているようです。

とにかく何の説明もなく、いきなり森の中に連れてこられて、状況を把握しようと思った矢先にドンパチが始まって、何もわからないうちに人は死ぬわ、雪は降ってくるわ…。とにかく気が抜けません。

ネイティブアメリカンの女性との間に息子がいるヒュー グラス(レオナルド ディカプリオ)が道案内を務めている。隊長のヘンリー(隊長と言っているけど、軍隊と関係あるのかどうか分からず…調べたり原作当たったりはしてないんだけど、したほうがいいのか…分からない、それほど作品に愛がなく…)(ドーナル グリーソン)とハンターのフィッツジェラルド(トム ハーディ)があんまり仲良くないのはわかった。フィッツジェラルドは自己中心的な人としてしか描かれない。

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と思ったら、グラスが熊に襲われます。ここ、こんなに尺いる?っていうくらいしつこく襲われます。絶対死ぬだろ、でも主役だから死なないよね…っていう怪我をして、なんかもう、血でびしょびしょなところをそのまま裁縫上手なヘンリーに縫ってもらいます。

グラスが道を知っているからそのまま怪我をしたグラスを即席担架に乗せて運ぶんだけど…どうもなんか納得いかない。そんな瀕死の状態では道案内も何もないよね…。息子(ホーク:フォレスト グッドラック)かなー?って思ったら、息子も置いて行っちゃうし…。

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フィッツジェラルドは最初から悪そうなやつだけど、あれ、息子はうっかりというか、いきがかり上殺しちゃうけど、あ、やっちまった…っていう顔するし、だいたい全体的に悪ぶっているっていうか、実は小心者っていうかそういう感じなんだよね、そこが好感がもてるっていうか、こいつは心底悪くないな…って思ってると金を持ち逃げしたりする笑。うっかりの上塗りのように人を騙し、グラスを生き埋めにしたりと、まあ非道なんだけれども。まさかの頭の皮を剥がされても生きている百戦錬磨の男なんですよ(最初に三角巾取った時に、え?って思いました)(穴熊の帽子確認できず…かといってそのためにもう一回見るほどの元気もなく)

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ヘンリー隊長は基本的に小心者で真面目なんだけど、この人ほど心情で動いている人はいないのかな…っていう気もした。とくに、ブリッジャー(ウィル ポールター)に対しての暴力とかが、それまで思っていたよわっちくて、こういう殺伐としているところに向いていない、文系の軍人というイメージが崩れた。

グラスは息子を殺された復讐のために、ありえないスーパーパワーで回復していくんだけど(どうやら原作=現実では、あの復讐までに1年くらい養生しているようだけど)ほんとに死なない。あまり死ななすぎて夢オチなんじゃないか…と途中で思ったくらい。途中で死んだ嫁が出てくるしね。

とにかく、寒くて、痛くて、辛くて、食べ物がなくて、生肉を食い、生魚を食い、冷たい川に流され、暖をとるために死んだ馬の中に入り、折角仲良くなった人を括られ、踏んだり蹴ったりなのです。全然休まる瞬間がない。

休まらなすぎて、観た後はぐったりした。

なんか、全編通して、レオ様できるかなチャレンジ!みたいに思えてきて、ちょっと冷めてしまったところもあったなあ…これでアカデミー賞だなんてなんかなあ…これだったら、ウルフ オブ ウォールストリートで獲らせてあげたかったわ。というか、ギルバートグレイプであげておくべきだったと思うし。

これは、個人の偏見に基づく個人の感想ですけど、レオ様って特別演技が上手いっていうことはないような気がするんですよねー…。実際に演技というところだと、トム ハーディやドーナル グリーソンやウィル ボールターの方が自然だし、感情が伝わってきたんだよなあ…。とくにウィルは良かった。この作品の中でちょっとだけでもホッと出来る部分だったし、唯一の良心というか…。それをうまく演っていたと思うのよ。

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いろんなところで宗教色が強かったって言ってるのを目にしたんだけど、私はそんなに感じなかったなあ…神という意味での宗教色はあったのかもしれないけど、それよりは生死感じゃないのかな?彼方と此方というか。

あの鐘の音が鳴らない、教会の廃墟はよかったなあ…あれは宗教観とは違う気がするけど。あれをそうというならそうなのかも、夢だけど。

自然の音に干渉しない坂本の音楽もよかったと思う。手癖じゃない音楽だったと思うし…(今はもう手癖ばっかりの音楽はやっていないのかもだけど、一時は

ルベツキの映像は美しかったのだけれど、わざとだと思われるレンズの存在。レンズにかかる息とそれで曇るレンズ。異様なほどの広角レンズ。ルベツキの撮影ってなんていうかすごくチャレンジングなところで評価されているんだと思うんだけど、これはチャレンジングすぎなんじゃないのかなーと。ラストシーンなんて、あれは第四の壁というか第五の壁を越えてきた(四次元的なという意味で=あの世と繋がった感)。

というところで考えると、アカデミー賞ってチャレンジしていないと評価されないのかなーって思いました。個人的には、ボーダーラインのディーキンスの方が好きですねえ…。


2016/4/20 109シネマズ木場 IMAX L列