The Hateful Eight
(2015 Quentin Tarantino)(ギャガ 2016年2月27日)
http://www.imdb.com/title/tt3460252/

うしろ姿が云々っていうやつですよね…。そんなこと言ってるとどのポスターも同じ構成になってしまうよね。ポスターはアートではないのかっつー話ですよね。難しいね。
さて、わたくし、あんまりタランティーノが好きとは言えません。そんなに見ていないし、見て好きだったなってことがそんなにない。パルプ フィクション、ジャッキー ブラウン、キルビル、ジャンゴ…そんなもんかな…。常に血なまぐさいなーっていう感想です。
しかしながら、なんだか評判がいいので(いつもそうか)見に行きました。エグいと言われていたので十分に覚悟を決めて。
見てから読むこと推奨です。
時代は南北戦争の直後あたり、元北軍で賞金稼ぎのウォーレン少佐(サミュエル L ジャクソン)が物語の中心で、雪嵐が襲ったワイオミングの「ミニーの店」で繰り広げられる密室劇です。
ウォーレン少佐が雪の中で止めたO.B.(ジェームス パークス)の駅馬車に乗っていたのが賞金稼ぎのジョン ルース(カート ラッセル)とお尋ね者のデイジー ドルメグ(ジェニファー ジェイソン リー)。ルースとウォーレンは旧知の仲で、最初は嫌がられるも嵐をやり過ごすための「ミニーの洋品店」まで乗せてもらうことになる。しばらく行ったところで、駅馬車に走ってくる男がいた。これまた南軍の有名人の息子のクリス マニックス(ウォルトン ゴギングス)、目的地であるレッド ロックの新しい保安官だと言い、同乗する。
その間にやり取りされる「リンカーンの手紙」のくだりはリフレインするので重要と思われ…というか、これテーマ?と思いましたよ。駅馬車の6頭だてのうち1頭だけが白馬とかもなんか言いたげ。
誰もが疑い深く、誰もが嘘をついているかのよう。
ミニーの店に着くと、ミニーに店を頼まれたと名乗るメキシコ人のボブ(デミアン ビチル)が迎える。怪しいひげ面である。そして、ドアは壊れていて、閉めておくために木切れを打ち付けなくてはならない始末。
中にいたのは3人の男。一人は絞首刑の執行人だというオズワルド モウブレイ(ティム ロス)、名刺を出してみせるが回収している(怪しい)。もう一人は無口なおじいちゃんサンディ スミザーズ将軍(ブルース ダーン=ネブラスカ可愛かった)といかにもカウボーイな感じのジョー ゲージ(マイケル マドセン)どいつもこいつも信用ならない感じ。
前半はこいつらがおしゃべりしたり身の上語ったり、シチュー食べたりコーヒー飲んだりしているだけです。遅々として話進まない笑。
誰かがコーヒーに毒を入れたあたりから、つまり、ウォーレンがスミザーズ将軍に、ひどい事実を告げるあたりから展開していくのだけれど…。
という感じです。みなまで言うまい。
ジェニファー ジェイソン リーは、誰もが褒めて評価しているので、もういいかっていう気もするけれども、振り切ってるところはすごいなあ…と思います。それ以上でもそれ以下でもないような気もしないことはないけど…。そこまで内面を…っていう
大体の場合、映画を観るときは前情報はなるべく入れないようにしているので、今回もチャニング テイタムがでているのは知らず、ただ、オープニングロールでアーンド チャニング テイタムって出て、あやうく声が出るところでした。「え?」って。で、いつ出るんだろう…ってソワソワしながら見てました。

しかしながら、シスコンか!っていうね。ま、いいんですけどね。可愛かったしね。前歯とフランス語笑。

サミュエル L ジャクソン、帽子かぶってコート着てマフラーしてる姿が非常に良いね。立ち姿のバランスとか。が、帽子取った途端のウケ狙いなのかぐらいのうすらハゲ頭。

あとは、クリス マニックスのウォルトン ゴギンズ、なんか見たことある見たことあるんだよ…と思いながら見てたんだけど、エージェント ウルトラのラファーだったよ。なかなかにしていい役どころだったし、うまかった気がします。内面写し出してた気がするのよね。
しかし、いつもタランティーノの映画を観ると思うんだけど、頭吹っ飛ぶし、血がドバドバ出るよね。一箇所なんて音が出る前に血が吹き出てたような気がするんだけど?
あと、これの話。ウケた。美術館収蔵の名作ギター本物を叩き壊しちゃった件。その前のジェニファー ジェイソン リーのギターがすごくうまかったんだけどもともと弾ける人なのかしら…。

ウォーレン少佐が、スミザーズをいじめるところの息子の話のところ、無駄なぼかしがでなかったのはR18+指定だったからなんですか…知らなかった。R18+だと知らずに見ていたよ…なので、あれって思いましたね。いいんだ。みたいな…。
誰も信用ならない…というところからの、最後に意外な人が信用できたね。っていうところでちょっとグッときた。ラストシーンは血みどろだけどグッときた。
でも、やっぱり、もう一回わかんないとこ見よう!っていう気にならないので、タランティーノは苦手なんだと思います。
エンニオ モリコーネのサウンドトラックは非常に不気味な感じでした。
2016/02/27 新宿ピカデリー スクリーン1 I列
パンフレット880円 世界観がバッチリ表現されてて、タランティーノ初心者にも優しい解説付きだし、ちょっとだけ高いけど買って損なしと思われます。思い紙使ってるし。