スティーブ・ジョブズ

Steve Jobs(2015 Danny Boyle)(東宝東和 2016年2月12日)

http://www.imdb.com/title/tt2080374/

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ほぼ同じなのに、煽り文句が惜しい感じ。

アップル信者歴が長いほど楽しめそうです。

信者以外の人だと、よく知らない人が多すぎで、説明もないしちょっとノっていけないんじゃないかと心配です。

スティーブ ジョブズ(ジョブズなのかジョブスなのか…俺は普段はジョブスって呼んでるよ、ここが参考になると思います)(なので、ここから先はジョブスで進めますね、すいませんね)(劇中でもすごく気になって聞いてたけど濁ってるのはウォズだけでした)の信者ではないですけど、アップルの信者なのですごく興味深かったです。Macワールドとか読んでたし。

ジョブス(マイケル ファスベンダー)の有名な発表会三つの開演前のバタバタだけをきっかり見せて、でもその中でジョブスがどんな人なのかをきちんと説明できてしまっているというミラクルな映画でした。ほとんど回想もなしでできててすごいなーって思いました。若干の回想シーンはあるよ。

まるで舞台劇のように台詞がものすごく多くて、たいていの場合みんな興奮状態でしゃべっているような感じになっていて、若干イラつくかもしれない。かといって説明口調(心情を説明するような、稚拙な、日本映画のような)はまったくなく、すごいなー、アーロン ソーキン。ソーキンのソーシャルネットワークも好きです。

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ジョブスとアシスタントのジョアンナ(ケイト ウィンスレット)(ジョブスはきっと裏切らない人は嫌いにならないんだと思う)、アンディ ハーツフェルド(マイケル スタールバーグ)(この人の存在はそんなに知らなかったのですすいません、やめても結構関わっているのね…今はグーグルにいるらしい)、ウォズニアック(セス ローゲン)(いつまでも過去にしがみついているプログラマーとしてしか書かれてなくてかわいそう…もっとユーモアのある人だよね、オケピでの二人の会話は好きです)、最初のCEOジョン スカリー(ジェフ ダニエルズ=最近偉い人の役多め)(ちょっとしたお父さんな立場になってて、実はすごく頼っていたのかもなー)とリサとその母親のクリスアンとの関係っていうふうにそれぞれジョブスはどんな人なのかというのを表すためにそれぞれの人との対応が描かれている。

あと、こだわりの非常口のライト。これの担当のアンディ(サラ スヌーク=プリデスティネーション)もずっとチームにいるんですよね。

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リサとジョブスの関係が特に際立って描写されているように感じられたんだけどそうでもないのかな…。ジョブスにとってのリサは子供としての普通の関係みたいなのは希薄だけど、リサに対する興味(好奇心的な)ものが特殊で、でも特殊ながらに深い愛であるというような書き方だったように思う。でも、リサが賢くなかったら好きじゃなかったかもしれないな…という気もする。本当のところはどうなのか知らんけど。ジョブスはリサに対してもあんまり子供扱いしないし、多分、子供の扱い方がまったくわかってないし、大人と同じような扱いをしている。そこにものすごくシンパシーを感じてしまうこともあって、グサグサときた。その原因が自分が里子に出されて、一回返品されているという過去にこだわりがあるせいだということになっていたけど、子供時代に受ける愛情の大きさとかネガティブな愛情とか絶対人生に陰を落とすよな…(いい方に転がる=反発力となるとよいのだよね)リサに恨みはないけれど、クリスアンのことは本当に嫌いなんだろうなーと思いましたよ。

リサとジョブスでいえばNeXTのときのリサがお父さんと一緒に暮らしたいっていってぎゅーってしてくるところでグッときた。あとは、最後のところでリサの持ってるウォークマンをダサいといい、もっとスマートに音楽を携帯できるようにする(iPodですね)ていうことろで思わず落涙した。

ジョブスって理想家ですよね。理想家であることが仕事になっている。

今ってジョブスみたいな人はいないんだなー…っていうね、最後の(成功した)ワンマンていう気がしました。

どのシーンだったか忘れたけど、アラン チューリングについて言及もありましたよね。ちょっとニヤっとしたんだけど、どこだったか忘れてしまった…

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あんなに本人に寄せてがんばったアシュトン カッチャーのスティーブ ジョブスは、実際本当に凡庸すぎてつまらなかったのだけど、今回のマイケル ファスベンダーはまったく、全くってことはないか…ほとんど寄せてないにもかかわらず、もうこの人ジョブスだねという感じになっていたのが不思議な感じでした。本当のジョブスの姿形を忘れてしまうくらいに。

ジョブスとジョアンナが口論しているときにNASAの開発の予算(なんの探査機か忘れた)の話が出たとき、壁にロケット打ち上げが映るところで度肝を抜かれて口をポカンとさせてしまった。ダニー ボイルのこういうとこいいな。すごくいいシーンだったともうのですよ。

オープニングロールで実はすでにグッときていて、アーサー C クラークがテープが回るコンピュータールームで、コンピューターは手のひらに乗るようになる、どこにいてもアクセスできるようになるっていってて、それが現実になっているよなー…って思ったのです。すごいことだな、すごい時代に生きているな…て思ったので。

感情がいたるところで爆発しまくっている映画だけど、この映画自体ではジョブスのことを批判することもなく、そしてただ持ち上げて伝説として崇めるだけにもなっておらず、全体的にはフラットで、いいところも悪いところも見せるということになっていて、映画としてすごくいいなと思いました。


2016/2/13 ユナイテッドシネマ 豊洲 スクリーン4 D列

パンフレットのデザインもシンプルで素敵です。日本語フォントの無力さは感じますけど。720円