ブラック・スキャンダル

Black Mass(2015 Scott Cooper)(ワーナーブラザーズ 2016/1/30 字幕:松浦美奈)

http://www.imdb.com/title/tt1355683/

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日本版はこれポスターなんかな…チラシ?

ジョニー・デップ再評価!みたいな前評判だったと思います。ルックスを寄せているのはよくわかった。しかし、それに終始してしまったというか、ルックスを寄せたことに寄りかかりすぎたような気がしてなりませんでした。

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前歯くらいでやめとけばよかったのでは…。

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(お母さんのことは大好きっぽい)

南ボストンの地元のギャングとイタリアンマフィアの抗争に地元出身のFBI捜査官が関わっていくというような話で実話だそうです。

逮捕されたギャングのメンバーが捜査に協力して情報提供をする供述に合わせて物語が展開するという体をとっています。ものすごく淡々としているので、おやすみになってしまうおっさんが続出していました。いびきはどうかと思うよ。

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とにかく、簡単に人を殺す。これが多分、ジェームス・ホワイティ・バルジャー(ジミー=ジョニー・デップ)の怖さじゃないかな、と思います。感情があまり表に出ないというか、それが悪いとも思っていないし、だからといって快楽的なものでもなく、恨みとかそういうものでもなく、とにかく「なかったことにする」ために殺す。

ケヴィン(ジェシー・プレモンス)もスティーヴィー(ロリー・コクレーン)も実際に人を殺したり殴ったりすることに罪の意識があるタイプとは違うとは思うんだけど(命じられれば簡単に殺す)それとバルジャーの殺し方は違ってた。昨日までの友人や仲間であっても、何も思わないかのように殺すし、しくじったら殺す。

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そこに新たにFBIの捜査官として就任してきたのが地元出身で、今まで結果を出してきたジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)、こどもの頃には同級生のビリー・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)の兄であるジミーを大変慕っていた。ビリーは今では州議会議員になっている。ジョンは最初は捜査に燃えているのだけれど、ジミーをうまいこと巻き込んでマフィアを排除しようとするのだけど、どんどん利用されることになっていくし、利用されているのだけれど、助けているような気になっているし、金も貰っちゃうし、どんどん落ちていく。嫁のメリーアンにも着るものも歩き方も変わってしまったと言われてしまうくらい。FBIがピンストライプのスーツとか着ちゃうんだもんね…。同僚で巻き込んだモリス(デヴィッド・ハーバー)でも不安になるくらい。

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案外ビリーは関わってこない。朝ごはん作ってるとか、お母さんの葬式のあとにジョンと飲んでるとか。悪を排除します!みたいなことを演説しちゃってるとか。もっとなんか悪徳政治家って感じなのかと思ったら、そうでもなかったのかな?たんに描かれなかっただけ?

とにかくね、俳優陣が豪華(俺的に)だった。

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ハイアライ賭博の件で登場したブライアン(ピーター・サルスガード)が本当に短い時間だったけど、良かったですね。この人もっと活躍してほしいな。すごくうまいと思うんだけど…。

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FBIの後任の検事のワイシャック(コリー・ストール)も、この人が就任した途端に物語の展開が早くなるっていう結構重要な役どころで、その情に流されたりしない、正義感に満ちたすごく賢そうな感じが出ててよかったなー。Dark Placesでも、良かったし、この人善い人の役の方がいいような気がする。

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ジョンの上司であるマクガイア(ケヴィン・ベーコン)と同僚のロバート(アダム・スコット)の二人も終始ジョンを疑う姿勢を崩さず、毅然としているという役どころで、よかったですね。

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私が一番この人うまいなーと思っていたのはスティーヴィーをやったロリー・コクレーンでした。セリフはあんまりないというか無口っぽい役なんだけど、それでも感情が出ているというか、うまかったなー。

ジェシー・プレモンスも良かったし、あっと言う間のシーンだったけどジュノ・テンプルも良かったなあ。

本当周りがガッチリ固まっていて、それにたいして評価が高かったはずのジョニー・デップが思っていたよりもそうでもなくてなあ…。感情がどう揺れているかわからない怖さというところでもなく、訳のわからないことをするというこわさでもなく、とにかく人を殺すことなんて何とも思っていません的なところというか、一貫したバルジャーの怖さみたいなものがなんか伝わってこなくて…。実話ものっていうとどうしても見た目を寄せたくなる気持ちもわからんでもないけれども、それよりももう少し内面的なものを、そもそも判り得るはずがないのだから、分かったらなあ…という気がしたなあ。息子を失うというところも、そのあとで人が変わったという風に言われていたけど、そうか?という感じだったし…。何か見落としているのかな…。

全体的に落ち着いて暗いトーンで寒くて冷たい感じの色彩がすごく良くて、寄りの画像はそうでもなかったんだけど、引きの画像がすごく好みで、とくにモリスとジョンがFBIの廊下?で話しているところの引きの画像の冷たさと感情がシンクロする感じのところとか最高に好きでした。映像監督がマサノブ・タカヤナギって日本人でした。しかも、ウォーリアーの映像監督でデビューした人なんだって。バベルでセカンドユニットの映像監督やってたらしい。ちょっと注目してみようと思います。

そして、その暗くて冷たいトーンによく似合う、ストリングスとパイプオルガンの重たい音楽だなーと思ったら、音楽はトム・ホーケンバーグ(ジャンキーXL)でした。全然いつものビートの効いたやつじゃなくて、この人の幅を発見できてよかったです(パイプオルガン買ったんだってよ)

使われている音楽は当時っぽい感じ。

http://www.what-song.com/Movies/Soundtrack/1833/Black-Mass

http://apervertatthemovies.tumblr.com/post/137757235767/black-mass-scott-cooper-2015

http://robbedpattinson.tumblr.com/post/137390749173/films-watched-in-2016-10-black-mass-scott


2016/01/30 新宿ピカデリー スクリーン3 E列(もう2つくらい後ろがベストかな…)

パンフレットはちょっと大きめ、情報量は割と普通。720円。