オンザハイウェイ その夜86分

LOCKE

(2013年 スティーヴン・ナイト

http://www.imdb.com/title/tt2692904/

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いくらなんでもこの邦題は酷すぎる。あらすじか。

アイヴァン・ロック(トム・ハーディ)さんの人生を変える一夜。

大仕事の前夜に、自分の不始末からの大事なことが起きてしまって、翌日の仕事を投げ出してロンドンに向かうことに急に、思いつきのように決めたアイヴァン。彼がバーミンガムの現場(工事現場の現場監督とくにコンクリート系のお仕事です。基礎工事ですね)からロンドンを目指す。

とにかく変わった作品ではある。登場人物はアイヴァン・ロックただ一人。シチュエーションは車の中。車はバーミンガムからロンドンへ移動。が、夜道なので風景も特に変わらない。

ひたすらアイヴァンが電話をかけたり、かかってきた電話に出たり、風邪薬飲んだり、鼻をかんだり、怒ったり泣いたり、独り言を言ったりするだけの86分(←これ)。

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彼に起きてるなんていうか無責任なことがいろいろ重なっていて、アイヴァンに対して憤慨する人は憤慨すると思うんだけど、自分はあんまりしなかったなあ。それよりかなりアイヴァンに寄り添ってしまった。

何度か見てるのだけど、最後の方のシーケンスでは絶対泣いてしまう。

これは、トム・ホランドがうまいのかもしれない(息子役)

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オーディオコメンタリを聞いて知ったのですが、撮影はバーミンガムからロンドンというのを6回(つまり6夜)やったそうです。合計300時間以上のフッテージがあって、それを編集したんだとか。

ハーディが鼻をかんだり、のどを触ったりするのは、本当に初日に体調が悪かったからなんだけど、これもひとつのラッキー?アクシデントとして使ったと言っていた。

舞台劇みたいなものなのかな…通しで86分間のお芝居を毎日やる。

普通はこういう姿の見えない相手の人っていうのはブースに入って一回録音して終わりだと思うんだけど、この作品の場合は、毎回かかってくる電話が本物なんです。もちろん電話回線を通しての声ではないのだけど、別途ホテルに録音用の部屋を取ってみんな生でこちらも6夜やったのだそう。もちろんこちらの人たちはシャンパン飲んだりしてたそうですけど。

一人で芝居しているといっても相手も芝居しているからなのか、とにかく臨場感があるし、全然退屈しない(絵がほとんど変わらないのに!)のは不思議。

トム・ハーディが好きじゃないと難しいのかな…いや、でもみんなが褒めているからそんなことないと思う。会話を聞いている間に、アイヴァンが鼻をかみ、ひげをなでつけ、ハンドルに怒りをぶつけ、腕まくりをしたりするのを見るだけで十分。

特に会話の部分では、アイヴァンの腹心の部下であるドナルとのやりとりが秀逸です。ドナル役のアンドルー・スコットはトム・ハーディの古い友達だそうで、その成果ものすごく息が合っていて、たぶんアドリブとかもありそうな感じです。

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アンドルー・スコットさん。シャーロック(ドラマ)に出てる人らしいですよ。

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何でか日本版のブルーレイがなかったので、米版買いました。安かったし。