Foxcatcher

フォックスキャッチャー(2014 ベネット・ミラー)

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実話を元にした精神が安定していない金持ちは怖いねっていう話です

マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)とデイヴ・シュルツ(マーク・ラファロ)は兄弟で金メダルを取ったレスリングの選手です。次のソウルオリンピックに向けて練習中。でも、きっと資金繰りとかうまくいってないんだろうな…

そんなときマークにデュポン家のボンボンであるジョン・E・デュポンが自分の持っているレスリングクラブのコーチをしてくれないかと話を持ちかけてきます。

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ジョンは別にレスラーでも何でもなく、ただ、レスリングが好きな自分が好きなちょっとアタマがおかしい人です。

そして、カネがあるので、どんどん兄弟を翻弄していきます。

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本当にね、これね、気が滅入る話でした。

基本になっているのは劣等感と強度の承認欲求をかかえた金持ち(後に本当に精神を病んでいたことが分るのだけど)の怖さと、兄弟の兄弟ならではの劣等感を持ったマークと、兄であることと体も強いけど賢さも人一倍な優秀な兄であるデイヴの兄弟の葛藤です。

ただ、本当に絵も暗いし、人も暗い。ほとんど笑わない…笑うところがない。笑えない。

ジョンはマザコンでもあるのかな…。お母さんの趣味である乗馬をけなしてみたり、お母さんにいいところ見せようとしちゃうとか、もうね、ほんとに。

マークは精神的に追い詰まると過食に走るタイプです。それは最初から分るのだけど、クライマックスのあたりでの病的な過食ぶりとかが本当に怖いです。笑わないテイタムはすごく怖い。

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過食したので体重をムリクリ落としているところ90分で5キロ落とせるのか…。

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デイヴはすごく弟思いで優しくて、賢くて、レスリングの才能も身体能力だけではなくて戦略的なものも理解が深い。だから、本当は離れるべきではないんだよね。

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そういう兄弟の結びつきにさえ嫉妬するんですよね、ジョンは。

それにみんなメイクがすごくてですね、元の俳優の持っているルックスではないのですよ。スティーヴ・カレルはつけ鼻と入歯でまったく違う顔でこれはいろいろ言われているので分っていたけど、テイタムも受け口気味にしているのと餃子耳、ラファロはリアルなのかなんかもう分かんないレベルの生え際の後退とてっぺん禿にモジャモジャの髭(フェロモンなし)

マークがちょっとアタマ弱そうな感じをね、ものすごくうまいね、テイタムがね。最初のダミーと練習しているところとか、そのあとでデイヴにダミーとの練習のことを愚痴るところとか。でも、デイヴに対してすごく対抗心のようなものもあって、いつも注目されてしまう兄の陰に自分が隠れてしまうと思い込んでいるところもあって、切ないです。

ジョンはマークを誘ってデイヴももろともと思っていたのに、賢いデイヴは引っかかってこなくて更におかしくなっちゃう。

もう絶対おかしいのは次のオリンピックに出るっていってる人にコカイン勧めちゃうところ。おかしいやろ!お前も気がつけよマーク!見たいな。ソウルなんてそれで散々ですよ。このヘリの中でスピーチの練習させるところとかも異常。

ちょっとからかわれただけで拳銃ぶっ放すとか…。

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もうね、全体的におかしいんです。

唯一まともなデイヴ一家まで壊されていく。

音楽の使い方で、おっと思ったのが、Fame(ボウイさま)の使いどころ。ちょうど祝勝会の始まりのところから係はじめるんだけど、これが実際のBGM(カセットでかかってた)っていうところ。歌詞も含めてものすごくあってた。


実は、ウォーリアーを見たので、そろそろこれも見ておくか、格闘家兄弟つながりで…と思って見始めたのだけど、分っていたけど本当に辛かった。辛い。

もちろんこちらはアマチュアレスリングですけどね(最後にマークは格闘技の世界に入るようですけど)

精神的に追い詰められている状態での鑑賞はお勧めしません。

監督作だとカポーティに雰囲気が近いかもですね。マネーボールはちょっと違う。


それにしても、これにしてもウォーリアーにしても俳優という人たちの身体能力とかそのそうらしく見せる技術というのかそういうののすごさってなんでしょうね。もちろん見た目的に筋肉を盛るとかだけではなくて、本当に技を決めている感もあるし、ただ歩いている、練習しているだけでもアスリートに見えるし、実際の試合風景なんかも本物と見分けがつかない…。


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