ラストエンペラー(1987年/ベルナルド・ベルトルッチ)
4時間完全版とかいうのをCSでやってたので録画して見ました(2014/08/02)
画質もそんなによくなくて、カットされた場面はまあ、いらないからカットされたんだろうなあという冗長な感じでしかなかったので、がんばって観ました。
これ、劇場公開時にレイトショーで観てて、すごい印象に残ってるんです。連れ(イケメン)が大泣きしてたんで笑。まあ、公開時に生まれてない人も読んでると思うけど…。
中国最後の皇帝、愛新覚羅溥儀の生涯をみっちり、3歳から死ぬまでを描いた映画です。溥儀役は4人。
ジョン・ローンが絶頂的に美しかった時に辮髪からおじいちゃんまでやってます。声がマイルドっていうか、ちょっと鼻にかかるような声でいいですよね。
ちっさくなければ、ハリウッドでもいけたのにね、残念。バランスも東洋人らしいしね(背が大きくなくても手足長ければ…)
私は3人目の子役が好きですね。薄幸な感じが出てるから。シュッとしてるし。その前二人の子役は似ていて、この3番目とジョン・ローンは雰囲気寄せてますね。全員同じ雰囲気にできなかったのかな…。と、最初の頃から思っていました。
キーワードはopen the door! どこにあっても扉を目の前で閉ざされる運命なんだよね。お母さんが亡くなった時のは、切なかった。お母さん、乳母絡みがいちいち切ないですね。
少年期にかなり切ない思いをするわけですよ、生活はものすごく贅沢なんだけど、心が満たされないというか。その反動でなんとか満たされようとしてあさっての方向に行ってしまうんですよね。それで戦犯となるわけです。
戦 犯として収監されるところから始まって、回想という形で戴冠から紫禁城を追い出されるまでが展開されます。そして、実際の時系列では収監されてから共産 党に教育されて解放され、市井の人として生活してなくなるまでを書いています。その間に中国自体がいろいろ変化するんですよね。よく分らなくなって調べた けど、よく分らなかった。毛沢東の時代に何度もいろいろ変わってるんですね…。
本当に人に傅かれて育っているので、収監されてからも使用人扱いしていたお世話係がキレるところも好きです。そうやってキレられたり、部屋を変えられて他人の中で暮らしていくことで、真人間に戻っていくんですけどね。
それにしても、教授は本当に英語も演技も下手すぎますね。音楽だけにしておけばよかったのに。音楽は超絶素敵です。フレーズ聞くとああ、教授ってわかるところがもう映画音楽っぽいじゃないですか。
そこのラストシーンは余韻が残るような、残らないような(ぶった切りでもある)感じがすごく好きです。最後は自分が住んでいたところに入場料を払ってはいるんだよね、そこからもう、グッとくるわけですよ。おじいちゃんの笑顔もね。