ザ・コンサルタント

The Accountant

Gavin O’Connor 2016

http://www.imdb.com/title/tt2140479/

ワーナー・ブラザース映画(2017年1月21日)
http://wwws.warnerbros.co.jp/consultant-movie/

image

会計士のクリスチャン ウルフ(ベン アフレック)は高機能自閉症。人と話したり、仲良くしたりするのが苦手です。

ネタバレしてます。

もうこれ、邦題は会計士でよくない?

監督は「ウォーリアー」のギャビン オコナー、脚本はダウニーのジャッジを書いた人と同じ人(Bill Dubuque)です。

この、無表情だけど、悪い人ではなく、頭の回転が早く、運動能力が抜群に高いという役にベンアフ。話としてはかなり荒唐無稽なのに説得力があります。宣伝とかで言われているような、裏稼業が…というのから想像するお話とはちょっと違って、間違いなく会計士なんですよね。ただし、いろんな訓練を受けている会計士。

ウルフの子供時代、ちょっと過去のこと、現在の会計の調査、妨害を企てるなんらかの組織、財務省のGメンとその新しいアシスタント。おおまかにいうとこの4つ(大人のウルフは1つとして)のラインが行きつ戻りつ交錯して、最後に収束します。子供時代のウルフをやった子役も、弟役の子もすごくいい。どちらの子もマーシャルアーツをやっているらしいです(むしろ、弟の方は少年マーシャルアーツのトップなんだって)

とはいえ、試写で見たときにちょっとわかりにくいかなーと思ったのは、なんでウルフが前任の会計士(フランシス=ジェフリー タンバー)と出会ったのか、というのが時系列的にわかりづらかったかなー。あとで説明されるので大丈夫なんですけど。この順番は変えられなかったのか…意外性が必要だからかな…。

アクションもすごく良いし、なんでこんなに格闘もできて銃も使えるのかっていうのが、ちゃんと説得力あるようにストーリーに織り込んであって、よく練り上げられている脚本だなーって感心した。農場、デイナの家、ブラクバーンのいえとそれぞれ趣向が微妙に違うアクションが観られて満足。

クスッとくるところもたくさんあるし、アクション一辺倒ではなくて、人物も描けているのがいいですね。若干、メイベルの謎解きが今ひとつテンポが悪い気もするけど、丁寧に描いているといえばそうなので、これはいいのかもしれない。アナ ケンドリックのキャラクターもうるさすぎず、かといってどうでもいいわけではなく、いい塩梅で好感が持てる。ちゃんと一度はアートを目指したことがある、という設定も活きているし、この人に好感持てないと全てが嘘くさくなると思うので、上手。そして、身長差萌え。いいムードになりそうになった時のウルフの雰囲気もいい。

エアストリームの中のルノワール、ポロック、金の延べ棒、帯封のかかった札束、ヴィンテージのコミック、様々な火器。こういうプロップや、ウルフが仕事をする時のマーカーの使い方、ガラスに数字書くやつ、政府が使っていると思われるコンピューターの画面、最後に出てくるハッカー御用達コンピュータなどなども、とてもいい。モハメドアリのジグソーパズルもいいです。

予想外だったのは、財務省Gメンのレイとメイベルの立場。これだけが最初から謎を含んでいて、中盤にそれが明らかにされてからの展開もまた大変良いです。なぜレイはメイベルを選んだのか、その選択眼の正しさとかも最終的にかっちりハマっていて、スッキリします。

最強の警備を誇るブラックス(弟、ジョン バーンサル)率いるチームが強いはずなのにことごとくウルフの方が上回っているのは、もしかして、もしかして?と思ったらその通りで、心の中でガッツポーズしました。ウォーリアー(号泣案件)に続いて兄弟愛、終盤ではちょっと泣かされます。←お父さんの教えが生きているんですね。ジョン バーンサル、デアデビルのパニッシャーの時からちょっといいなーと思っていたんだけど、ここでもすごく良かったなあ…ラストの方の演技とかすごくいい。

そして、最後の最後で最高にグッときた。これを知った上でもう一度観るととても楽しい。*deep sigh*、いいなあ、うまいなあ。ヒントが散りばめられていて、きちんと回収されているので、何度観てもその度発見があって面白そう。

一番悪いはずのジョンリスゴーが、ただのセコイやつだったので影が薄かったけどしょうがないか(リスゴーって背が高いのね!ベンアフレックと並んで歩いているところでびっくりした、今まで全然気がつかなかった)

エアストリームごとどこかに消えて行ったけど、これシリーズ化されるのかなー、されて欲しいかも。

image
image
image
image
image
image
image

2017/1/6 試写会(ワーナー試写室)
2017/1/22 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン5 E列

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

Rogue One: A Star Wars Story

IMdb/http://www.imdb.com/title/tt3748528/

日本公式/http://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html

字幕/林完治

image

スターウォーズ エピソードIVと呼ばれる、オリジナルのスターウォーズの10分前までを描いたスピンオフ映画。 

ネタバレします。

デススターを作った帝国軍の科学者、ゲイレンアーソの娘、ジンを中心とした反乱軍のボランティアたちが命令に背いて、デススターの設計図を手に入れるため、帝国軍のデータ中枢に乗り込む。 無名の戦士たちが戦う映画。

監督のギャレスエドワーズは、スターウォーズの大ファンでエピソードIVは300回以上観たのだとか。そんな彼の作った今作は、完全なるスピンオフで、続編はエピソードIVというわけで、完全なるワンオフ。 

とにかく心を揺さぶるストーリー、後半の戦闘シーンが、地上も空中も素晴らしすぎた。 最初の感想は「最高オブ最高、泣いた」だった。

全体を流れる、目的のためには自分を犠牲にしてでも、大義のために動く人たちの尊さみたいなものが、胸に迫ってきて、何度も泣いた。二度目に観たときは、チアルートが最初にストームトルーパーをなぎ倒すシーンでさえ、泣いた。

前半は、いろいろ説明しなくてはならないから詰め込み気味で進むので、そこがだるい、そのシーンいらなくね?とかいう人もいるけど、前半で無駄などあったか?というのが俺の感想。

宇宙のシーンは、現在の技術を使って77年の表現を広げているのだけど、それがアサッテの方向に行かないところがセンスある。ルーカスは新しいモノ好きすぎて、そっちに心が行ってしまい、アレ?ってことがたくさんあるのだけど、ギャレスの技術の使い方はたいへん素晴らしい。あたかもモデルを撮影したかのようなCG、モデルでは多分あんなに精細にできないだろうからCGだと思うわけだけど。どうやって作った(模型から起こすのかな?)のかメイキングが楽しみです。 アートオブ〜は買ったのだけど、まだちゃんと読めてない。

ちょいちょい、エピソードIVに直接繋がる人やものが出てくる。人はどうやって撮影してるのか。ピーター カッシングが生き返ってたり。こういう技術の使い方とかたまらない。あの、酒場でルークに絡んでくる二人組とか。オルガナパパとか。もちろんレイアもダースベイダーも。 

とにかく、それぞれのキャラが立っている上に、人種も多様、それを活かしていてすごく良かった。ほぼ全員訛ってる。そういう世界なんだよっていうのが表現できてる。 

最近フェリシティが好きなんですが、今回も大変よく、鼻っ柱の強い、そして、実力もある戦士はピッタリでした。この人もまた大変英国なまりな英語を話していて、それも良かった。この人の気の強い感じはたまらなくいいですね。(アウトバーンはその点ちょっと物足りなかった)それに、ジェダでのアクションシーンはキャシアンがぽかんとするほどかっこよかった。

チアルート(ドニー イェン)というキャラクターが抜群に良かった。ジェダイワナビーの盲目の剣士とか、このキャラクター考えてくれた人ありがとう!盲目ならではの勘の鋭さが、フォースなのかなんなのか。もう、全てのシーンで鼻がグズグズしていけない。
もちろん、ベイズとのコンビがとてもいい。ベイズの終盤の見せどころでは、大泣きした。 ベイズが距離感を保ちながらも、常にそばにいるのがたまらなくいい。チアルートはそれが当たり前と思っているところがあるのもまたいい。

ボーディ(リズ アーメッド)もとてもいい。ボーガレットに絡みつかれて魂抜かれるところは尺が足りないよ、と思った。この人はフィンみたいな立場で同じ感じたけど、フィンより強くて大人で、断然好き。

不満があるとしたら、ちょっとだけ地上戦の尺が長い気がするのと、ジンとキャシアンがちょっといい感じになるところが陳腐だったかな…と。ここはマックスとフュリオサのあくまでも戦士同士のリスペクトに終始するのをロールモデルとしてほしかった。キスしたりするシーンはないけど、キャシアンが最後にジンを抱きしめる時のキャシアンの手の力の入り方とか、これもう男女愛になってるしなー、とちょっとトーンダウンするのでした。同志愛が男女愛に発展するきっかけとかがいまひとつ見出せず…。 

そして、何よりもすごいのは終わりの10分。帰ったらエピソードIV観ようって思う人多いだろうし、観た時あまりのコンティニュティにびっくり。セットとかすごすぎた。
でも、レイアはep4ではもっと衣装が透けてた。 

K-2SOは造形はわりと普通なのだけど(巨人兵ぽいからオリジナリティとかはない)(他のエピソードに出てくるわけでもないっぽい)サーキットに流れてきたものをすぐ口にする感じとかたまらなく人間くさく、嫌な予感はするし、振り返って銃を撃つところのシーンではまるでハンソロだなーと思ってしまった。このシーンのKがすごく好き http://favcharacters.tumblr.com/post/155227828321

image

ソウ ゲレラはもうちょっと出番があっても良かったな。幼少のジン(この子役の子もすごくうまかった)を鍛えるシーンはカットされたようで、撮影はしてたのかーもったいない…。安定のフォレストのやっぱりいい人さ。歳をとったソウは少し痩せて見えたし、あの怪しいものを吸入して、ちょっとあっちに行っちゃう感じとか、たまらない。最期もアタフタしない肝の座ったシーンはまた涙をさそう。何度も泣くシーンありすぎだ。 

シーンもキャラも全部良すぎて、全部書きそう。ダースベイダーとクレニックのシーンも良かったなー。ダースベイダーはep4見たら頭身変わってたけど(肩幅広い)  

またクレニック長官、ベンメンデルソーンがパリッとした長官なのか…と思っていたけれども、蓋を開けてみたらこの長官が実はなんだかヘタレっぽく、総督から蔑まれており、なんとか手柄を立てたいと思っているという、まさにピッタリな役だったし、最期も文句ありません。自分の作った兵器で自分が最期を迎えるとか、皮肉すぎる。 彼のケープはダーズベイダーのケープと違って重みがないので、いつも絡まったりひらひら舞っているのが、いかにも人物を表していてすごくよかった。トレイラーでのクレニックと本編のクレニックは別物だった(ケープの感じも)

プロップも大変よく、特にコンピュータ画面などはep4の世界と全く同じになるように合わせてあってすごく愛を感じた。ちょっと古いコンピューター画面。ハイパースペース(ワープじゃないんだよ、そう言えば)からエックスウィングがぴょんぴょん現れるところとかもう、たまらなく、また、終盤で爆発から逃れるために飛び立つ反乱軍の戦闘機がハイパースペースから現れたダースベイダーのスターデストロイヤーにぶつかって大破するとか、そういうリアルもあって、胸熱。  

最初の空中都市はちょっとブレードランナー感があったり、ジェダの都市部はep7の雰囲気もあったり。 スカリフが常夏ビーチ星っていうところがまた良い。美しいビーチを壊しながらの地上戦。 

音楽は正統派のオーケストラ音楽で、ジョン ウィリアムズの音楽をきっちり踏襲してマイケル ジアッキーノが作っていて、エンドロールで、新旧の音楽が滑らかに繋がっていくのは大変素晴らしい。音楽の使いどころと言えば、バリアのゲートをブチ破る時に、大変美しい音楽がかかるところが一番シビれた。


2016/12/16 TOHOシネマズ新宿 TCX/ATMOS 
2016/12/17 109シネマズ木場 IMAX
2016/12/22 TOHOシネマズ新宿 TCX/ATMOS
2016/12/25 Tジョイ 品川プリンス IMAX
2016/12/28 Tジョイ 品川プリンス IMAX


これも買った
アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 大型本 – 

2016年総括

すっかり年が明けてしまったけど、とりあえず総括を書いておきます。

Twitterでは2016年ベストを書いておいたけれどもちょっと詳しく書く。

ちなみにツイッターに書いたベストはこちら


①ローグ ワン スターウォーズ ストーリー 
②ボーダーライン

③オデッセイ

④メッセージ

⑤シビルウォー

⑥ガール オン ザ トレイン

⑦デッドプール

⑧裸足の季節

⑨キャロル

⑩ザ ギフト 

 次点
マジカル ガール
長い言い訳
バースオブネイション


もちろん、長い言い訳とは永い言い訳のことです。

Netflix先行配信で観たのだけど、最後の追跡がよかったですね。リストに入れてないけど…。音楽は安定のケイヴエリスでしたし。

去年劇場で観た映画はフィルマークスに記録したものによると…(再映なども含めて)
ザ・ウォーク/エージェント・ウルトラ/ブラック・スキャンダル/オデッセイ/キャロル/スティーブ・ジョブズ/ザ・ブリザード/幸せをつかむ歌/バットマンvsスーパーマン/これが私の人生設計/ボーダーライン/ルーム/グランド・フィナーレ/スポットライト 世紀のスクープ/キャプテン・アメリカ シヴィル・ウォー/レヴェナント/ズートピア/ダーク・プレイス/マクベス/神様メール/デッドプール/アウトバーン/教授のおかしな妄想殺人/二ツ星の料理人/レジェンド/裸足の季節/マジカル・ガール/シング・ストリート/TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ/疑惑のチャンピオン/ウォークラフト/ヤング・アダルト・ニューヨーク/ライオット・クラブ/ターザン/X-MEN アポカリプス/ゴーストバスターズ/ハイ・ライズ/奇跡の教室/神のゆらぎ/ジャングル・ブック/スーサイド・スクワッド/グランド・イリュージョン/ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>/地獄の黙示録/セルフ/レス/コロニア/ある天文学者の恋文/アイ・ソー・ザ・ライト/世界一キライなあなたに/エクス・マキナ/七人の侍/ジェイソン・ボーン/続・夕陽のガンマン/地獄の決斗/スター・トレック BEYOND/永い言い訳/ザ・ギフト/インフェルノ/フィクサー/サファリ/バーズ・オブ・ネイション/ジャック・リーチャー/ティファニー ニューヨーク五番外の秘密/ジュリエッタ/ガール・オン・ザ・トレイン/胸騒ぎのシチリア/ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅/エブリバディ・ウォンツ・サム/母の残像/ブルーに生まれついて/ハンズ・オブ・ラブ/ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー/ストーン・ウォール/ワイルド 私の中の獣
以上の72本でした。すごい、新記録かも。

ちなみに劇場以外(BSとかBlu-rayとか)で観たのは133本でした。

一番劇場に通ったのは、キャプテン・アメリカ シヴィル・ウォーです。
他にもなんども観てるのが、オデッセイ、BVS、X-MEN アポカリプス、スーサイド・スクワッド、ローグ・ワンですかね。ローグ・ワンはキャプテンアメリカに迫る勢いです。

回数観てるくせにベストに入ってないのあるじゃん?それはね、作品を見に行っているわけじゃないからです。絵を観に行っている感じ?作品としては納得いかなくても観たいやつとかあるんですよ、複雑ですな。

ドラマも結構観てて(WOWOWとDlife、スーパードラマTV、ネトフリで見ることが多い)MCUドラマ(エージェントオブシールド、エージェントカーター、デアデビル、ジェシカジョーンズ、ルークケイジ)、ナンバーズ、クワンティコ、ブラックリスト、ブラインド・スポットかなー? 結構観てるな。

今年もいっぱい観よう、そして、ここもマメに更新したい。ええ、したい気持ちはございますので、どうぞ、よろしくお願いします。

戦争映画ベスト10

に参加しましたよ。

ワッシュさんの毎年恒例の映画ベスト10。今年は戦争映画でした。

私のベスト10はこんな感じ

  1. 地獄の黙示録 
  2. フルメタルジャケット 
  3. ブラックホークダウン 
  4. アメリカンスナイパー 
  5. イングロリアスバスターズ 
  6. イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 
  7. キャプテンアメリカ ファーストアベンジャー 
  8. 太陽の帝国 
  9. FURY 
  10. 戦場のメリークリスマス 

見ているようで見ていない戦争映画。硫黄島とかも録画しておいてあるんだけどまだ見てないんだよねー(ダメ)。ギリギリこれのために見てなくて見ておかねば、と思って見たのがアメリカンスナイパーとFURYとドローンオブウォー。FURYは思ってたより、自分でも大丈夫だった(男くさい感じの映画だと思っていたから。でも、ノーマンが文系だったから大丈夫)(そして、フランス組曲とかもありなのかな?と思ったけど、これまたまだ見てないのだよねー)

他には、ハートロッカーとかもいいのかな…と思ったんだけど、あたし、ハラハラする映画って疲れちゃうんですよ、だから、その、ハラハラ度で落選しました。プライベートライアンとかもね、そういえばあるね。まあいっか。

と、スギハラチウネ見ながら書いています。これはないな。うん。

2016/12/10

フィクサー

Fixseur(The Fixer)

image

2016年 Adrian Sitaru(エイドリアン シタル)
第29回東京国際映画祭

http://www.imdb.com/title/tt4950192/


東京国際映画祭で見ました。初めてQ&Aのある映画を観たのだけど、監督の話を聞くのはいいですね。オーディオコメンタリーとかも好きだから、製作側の話ならね。

まあ、観ようと思った動機とかかなり不純ですけどね。ルーマニアの映画(フランスと共同)だったからですね。


ルーマニアのジャーナリスト見習いのラドゥ(トドル アロン イストドル)の仕事と私生活。

ルーマニアの田舎の子がフランスで売春をしていたというネタにまつわるジャーナリズムとは、みたいなことと、それに関わるジャーナリスト見習いの何でも屋のラドゥの私生活が並行気味に描かれている。新しい?子持ちの彼女が大好きで、その子供マティともうまくやっていこうと思っているけど、自分の信条と現実の狭間でいろいろ揺れまくる。

ラドゥはジャーナリストになるには繊細すぎるのかもしれない。むしろ売春していて強制送還されたアンカ(ディアーナ スパレティスク)の方が全然さっぱりしたものだ。教会(尼さん怖い)とギャングが結託しているような田舎町。ヤンキーと年寄りしかいないんじゃないかっていうところで育ってるアンカは結構図太い。図太くならざるを得ないのだろうけど。というか、基本あんまり人生に興味ないというか、そういう感じ。お姉ちゃんもどう見てもヤンキーだし、なんか未来のない感じだよなあ。

取材先で夕ご飯食べるところで、ジャーナリストっていってもまあ俗物だなー、このギャップというか、いってることとやってることが若干矛盾しているというか、なんていうか、大人って汚いな(俺も十分大人だけどさ)って思ったわけですよ。「口でする?」って言われて過剰に反応するよ過剰に反応するような繊細に見えるラドゥだって、タブレットで彼女とフェイスタイムしながら「あそこ見せて」とか言ってるしさ、なんつーか、まあ、全体的に相違まあ、全体的にそういう二面性みたいなものも多かったですね。だいたい、教会と売春だもんな…。

最初と最後にプールのシーンがあって、ここの写し方がとてもいい感じだった。天井から下がっている三角の旗とか、プールのこだまするような音とか。ラドゥと子供は、速く泳いで勝つことに対して、意見が対立しているわけなんだけど、それが最後にちょっと分かり合えた感じになるところもいいな。ラドゥはこの取材を通して、成長したんだよなあって思った。
image

http://www.jaredmobarak.com/2016/09/04/the-fixer/

なにかの結論を見出すような作品とも違うし、問題を投げかけるだけで終わっているけど、これはこれでいいんじゃないかな。監督も投げかけることに意味があるようなこと言ってたし。ジャーナリストとして報道することが誰かを虐待するようなことになっていないか、一方的なものの見方を強要していないか、ということ。


2016/10/31 第29回東京国際映画祭 TOHOシネマズ六本木 スクリーン9 D列(スクリーン9は内装古いのね)

バース オブ ネイション

The Birth Of A Nation(2016 Nate Parker)(2017年予定 20世紀フォックス映画)

http://www.imdb.com/title/tt4196450/

image

東京国際映画祭の特別招待作ということで、チケットが取れましたので観てきました。東京国際映画祭、あるのは知ってたけど、初めて観たのは去年という感じです。

早々にネタバレしております。気にならない人、映画祭で観たよ!という人はどうぞ。

アメリカの農場で奴隷の子供として生まれたナット ターナー(ネイト パーカー)が、やがて黒人の牧師となり、周囲の農場を回って説教をするようになり、その後に白人に対して決起するようになるというような話です。実話ベースだそう。

胸にあるしるしから、特別な子だと言われ、いつかリーダーになると言われていたナット。農場主の息子(サミュエル=アーミー ハマー)と仲が良く、奥様(エリザベス=ペネロペ アン ミラー)にも可愛がられていて、勉強をするように言われ、聖書を読まされていた。途中まではサミュエルととても仲良しで、まるで兄弟のように振舞っていて、売られていた女奴隷(チェリー=アヤ ナオミ キング)をナットが気に入って半ば買わせたような形になっていたし、そのシーンが来るまで、この二人はそうはいってもずっと仲良しなんだろうと思っていた。サミュエルはサミュエルで家が落ちぶれていくという問題を抱えていたし、ナットをダシに小銭を稼いで(どんどん単価が上がっていくのがなんとも…)いたとはいえ、ナットが白人に洗礼をしたことをきっかけに色々狂っていくところは、ああ…ダメなのか…。と残念な気持ちだった。

image

本当に虐げられている同じ黒人を見て、自分は恵まれていると思っただろうし、エリザベスへの感謝はあっただろうけど、それでも洗礼事件以来サムとは険悪になっていたし、その最後に向かうひとつのきっかけをサムが作るのはすごく残念。エリザベスが最後まで善い人だったのは救いがあったような気がする。事実はどうだかわからないけれど。

結局思ったけれども、そもそも同じ人間を奴隷にしようなどと最初に考え出した奴が悪いのであるよなあ。それをずっと背負っていくのだろうなあ、アメリカという国は(他のヨーロッパやイギリスなどの事情はアメリカよりはマシなんだろうか)と思いました。

なんども映るどこまでも続く綿畑とか、霧のかかった朝日とか、深い色彩の夜の風景とか、映像も美しかった。けれど、エグい映像も結構多めで、アールの農場での奴隷の扱いが本当にひどくて、ちょっと目を背けたくなった。Strange Fruitsをバックに首をくくられた人たちが映るところとか、いろいろちょっと過剰かな…。とも思った。

ターナー家の執事は自分が恵まれているから、ことを荒立てて欲しくないという自己中心的な人だったけど、ある意味正解というかそうして生きていくのが妥当なのかも…でもなあ…などとこの人がいることで考えさせられた。サムの喉元の髭を切らせるシーンは喉元に大きい鋏を当てていて、この人に対する信頼でもあるし、サムはナメすぎじゃないのか…という気もした。

おばあちゃんが、よかったなあ。見た感じがすごくステレオタイプすぎてどうかとは思ったけど。

髪の色も髭の色も暗いブロンドのアーミー ハマーの助演も光るところがあったと思います。好きな俳優なのでね、贔屓目もあるかもしれませんけれども。

12 Years Of A Slaveのことを思い出したけど、描き方はだいぶ違います。

監督に対するゴシップとかあるようだけど、それと作品とは関係ないから、一緒にしないでほしいなあと思うし、それ関係ないから言わなくていいと思うな、発言力ある人は。

邦題はこれで決定なのかな?なぜ「ザ」と「ア」を抜くのか…

ナットに周囲の農場を説教して回らせて小銭を稼げと勧めた牧師が、Sons of Anarchyの人で、観ている間ずっと誰だか思い出せなくてモヤモヤしてた。

2016/11/2 TOHOシネマズ六本木 スクリーン7 H列(東京国際映画祭)

ジェイソン・ボーン

Jason BournePaul Greengrass 2016年)(東宝東和 2016年10月7日)

http://www.imdb.com/title/tt4196776/

image

ジェイソンボーンシリーズは、つい数ヶ月前にボーンスプレマシーとアルティメイタムを見て、うぉーやっぱりかっこええ…と思ったので、大変楽しみにしていました。


ジェイソン ボーン(=デヴィッド ウェブ マット デイモン)は自分のことを思い出し、その後隠匿生活をしている。そこに以前の相棒ニッキー(ジュリー スタイルズ)がCIAの新しい作戦を阻むのは君しかいない!と接触してきたので、自分が苛まれている父親の死の真相についてもついでに知りたいと思い、CIAトップのデューイー(トミー リー ジョーンズ)と真っ向勝負をする。そこに個人的な恨みを持っている工作員(=名無し ヴァンサン カッセル)と、新進気鋭の捜査官ヘザー リー(アリシア ヴィカンダー)も絡んでくる、といったような話です。

とにかく観て最初の感想は、とにかく疲れた、でした。カットは短いし、画面は揺れるし、ざらついていて彩度が高くコントラストが強いのでものすごく疲れました。

隠匿生活を支えているのがファイトクラブで、一発でキメるし負けなしなのね、これが後の方で効いてくる。ニッキーはハッカーのアジトでCIAにハッキングして情報を持ち出すけど、あの時のハッカーの皆さんはちょっと無防備すぎないのかなー、と思ってた。ニッキーてそんなに優秀なハッカーだったんだっけ?全シリーズもう一回見直したいぞ。その暗号化されている情報が「暗号化済み」て書いてあるUSBに入っているとかちょっと間抜け。そのUSBをめぐってのアテネの広場でのデモに紛れて追跡からのカーチェイスと、ラストのカーチェイスは若干の荒唐無稽さがあったけど(特にラストの方、スワットの装甲車とか)見応えがある。最初のニッキーとジェイソンを追うところは、情報やハイテク装備を駆使していて、采配を振るうリー(アリシア ヴィカンダー)もすごくかっこいいんだけど、既視感があったかなー。

今回も、手近なものをうまく使うジェイソンボーンが本当に賢すぎた。こんなに戦略に長けている人が何人もいたら、すごいだろうなあ…。

世界の情報を一手に握っているIT長者みたいなのが、最近必ずと言っていいくらいサスペンスものに出てくるけど、今回ももれなく重要な役どころで登場。大体いつものと同じグーグルとフェイスブックを混ぜたような会社のCEOのカルーア(リズ アーメッド)。そして、意識が高いのもいつもと同じか。ここには意外性がなかったなー。ちょっと前の時代だとこういう人は悪の手先になったりしてたよねー。

デューイーの部下であり、なぜか寵愛を受けている設定のリー。なぜ寵愛を受けているのかがいまいち分からず。血縁でもあるのかな?って思ってたけど、そうでもなく。しかも、終盤ではああなって、ジェイソンボーンと秘密を共有することになるし。その上リーはジェイソンを戻すことになぜか固執している。これも理由はわからない。こんなわからず屋のおっさんには戻ってもらわず、情報戦で勝利すればいいのでは? 最終的には有機的な何かが必要になるだろうという読みなのかな? それとも、ちょっとした表情でしか分からなかったけど、少し同情しているのかな?その同情は何なのか…とかは、次作でわかるのかしら?

ジェイソンに個人的な恨みを持っている工作員が、本当にしつこいんだけれども、この人は何の恨みなのかわからない。この人もなんかの作戦の人なのかな?それにしては結構歳をとっているよね…。ヴァンサン カッセルってもともとちょっと優男風だったのに、いつからか、悪い奴になって、今では見た目も悪い感じになっているよねー。この人のは恨みではないのでは?それともこういう作戦ができてきたおかげで割を食ってる工作員なのかなー?ジェイソンは色々知りすぎているから殺す、なのではないのか。わからぬー。

ベルリンのハッカーが割といかにも感があってよかったのだけど、追跡プログラムをスキャンしないとかちょっと間抜けじゃない?全体的にハッカーなめとんのか?という部分もあり。

そして、終盤のシークエンスを見る限りでは、絶対に続編ありますね。リーの素性とか、わかったりするんでしょうねえ…。楽しみだ。

image

ジュリースタイルズ、久しぶりに見た気がする。

image

こういう作戦本部みたいなの、最近よく見るなー。でもこれで使われているプロップとかよくできてた。狙撃用ライフルのスコープとかまで全部オンラインなんだねー。それにしても、終始リーがこの、お団子クリップみたいなのを使ってて、なにこれ、ちょっとダサくない?って思ったんだけど(他の服装は別に野暮ったくない)なんでかなー。仕事中の日本のOLさんみたい。


2016/10/07 109シネマズ木場 IMAX L列


FBIのドラマを見ながら書いてて、全部CIAがFBIになってたので修正しましたよ。ハズカシー

ゴーストバスターズ

Ghostbusters(2016 Paul Feig)(ソニーピクチャーズエンターテイメント 2016年8月19日)

http://www.imdb.com/title/tt1289401/

image

先行上映が今週から始まっていたのを知ったので、早速見てきました。3Dと2D迷ったけど、今回は2Dで。スクリーンは小さめでした。

嫌いじゃあない、嫌いじゃあないんだけど、なんだ…薄かった。元祖のゴーストバスターズの記憶が曖昧になってしまっているので比較してどうのとかは言えないのですが、カメオ的に出てきた人も含めて、私でさえわかる範囲でもオマージュが散りばめられていたのは良かったんですが、ちょっとお笑い(コメディではなくてネタ)に走りすぎていたのかな…元祖はどうだったっけ…。

とはいえ、全てをクリス ヘムズワースの可愛さで赦します。あんな秘書いたらイラっとするけど全部許してしまって、ストレスたまりそう。いや、それさえも癒してくれるのかも?


エリン ギルバート(クリスティン ウィグ=終身雇用を目指す物理学を教える大学教授、しかし、過去に幽霊に関する著書を出版したことがある)
アビー イェーツ(メリッサ マッカーシー=エリンと共著で幽霊に関する本を出し、しかし、途中でエリンに裏切られたと思っている)
ジリアン ホルツマン(ケイト マッキノン=現在のアビーとの研究仲間、原子力エンジニア、メカに強いというかメカが好き)
パティ トラン(レスリー ジョーンズ=地下鉄職員、のちにエリンたちの事務所にやってきて仲間に入る、NYのことなら何でも知ってる)
ケヴィン(クリス ヘムズワース=エリンとアビーが作った会社に面接にやってくる、オツムの弱いイケメン)
ベニー(カラン ソニ=アビーの馴染みの中華屋のデリバリーマン。=デッドプールのタクシーの運転手!)


ニューヨークの古い邸宅のガイドツアーの途中、邸宅内で不気味なことが起こり、それを相談するために邸宅の持ち主がやってきたのがエリンが教鞭をとる大学。エリンはかつて幽霊に関する本を友人のアビーと出版していたのだけれど、それを隠して終身雇用の道を目指していたのに、この顛末の結果大学をクビになってしまう。アビーと再び幽霊の研究をするために事務所を作る。
ニューヨークにゴーストたちが出現するようになったのには訳が…というお話。


いじめられ続けてきたと思い込んでいるローワン ノースがゴーストを召喚して街をメチャメチャにしてやる何なら命だって賭ける、のその勢いが今ひとつ乗り切れないところで、そこがもっと未知の世界のものだったらよかったのかもしれない。

image

箸休め程度と思っていたケヴィンがあまりに活躍しすぎて、途中からはケヴィンというかクリヘムのアイドル映画となっており、エリン、わかるよ、エリン。という気持ちで見ていました。

image
image
image

絶対幽霊など信用しない科学者にビル マーレイ、途中車を失ってタクシーを捕まえると中にはダンエイクロイドの運転手(しかもやたら幽霊に詳しい)、エンドタイトル後には新しいメンバーとしてシガニーウィーバーの博士なども楽しい。ゴーストの造形も思ったより好きでした。あの素材感が好き。その一つ前に出てきたマルティグラのシーンもよかった。…あ、あとオジー…。

なんだけど、肝心なお話がコント(しかも女性の自虐ネタのような)の数珠繋ぎのようになっていてバラバラでその部分がなんだか平坦な感じがしたのです。それは、その、原因がローワンていうところなんだろうか、それとも展開なんだろうか…。スケールが大きいはずなのになんだかな…。あと、レスリージョーンズがいろいろ公開後の本国で物議を醸していたけれども、この人なんっか間が悪くて、(役柄としてではなく)ちょっと見ててイラっとしたことをここに告白しておきます。

image
image

女性が頑張るというはずなのに、なんだか女性の自虐ネタみたいになってしまったのが残念だった。けれど、一人ケイト マッキノンは美しく、自虐部分があまりなく、この人が最後にシガーニーとのツーショットになっている部分はワクワクさせられたけど、これはもう続編はないのですよね。

エンドロールまでも乗っ取ってしまったケヴィン…最後まで楽しませていただきました(スタッフクレジット、何も見てない)そして、もう一人のアイドル、中華屋のインド人ベニーも良かったですね。総じて軽い役で出ている男性が良かった(なぜだ、コメディなのにコミックリリーフがイケてるとは)

ということで、クリヘム見にいくだけでもいいと思います。そういう意味では本当に頭を空っぽにしてですね、見ていただきたい。


TOHOシネマズ新宿 2D スクリーン6 E列

裸足の季節

Mustang(2015 Deniz Gamze Ergüven)(ビターズエンド 2016年6月11日)

http://www.imdb.com/title/tt3966404/

image

みずみずしく美しい少女たち

Mustangは音楽がアカデミー賞にノミネートされた時から気になっており(わたしは大変ニック ケイヴのファンであり、その相棒のウォレン エリス=奥様は岸恵子の娘さんが担当していたからです)公開されたら観に行こう!と思っていたら、実際に映画も大変評判がよろしいので、張り切って観に行きました。


image

冒頭の海辺のシーンはキラキラして美しい。

そのシーンを特別悪いことをしていると思って見ていない者にとってはそのあとの展開は想像しにくいものでした。

家に帰れば折檻され、それも近所の人にふしだらなことをした告げ口された結果であり、その挙句に処女膜検査(!)をさせられるし。そこで医者が普通にしているところが、そういうことがよくあることであることを表しているんだろうし、問題なかったのに、外に出してもらえなくなり、花嫁修行をさせられ、外に出るときには地味なクソ色の服を着せられ、勝手に縁談を進められるのです。

image
image
image

それでも、長女のソナイは主張ができる分、まだよかったと思う。抜け出して彼氏に会う。彼氏が道路に愛のメッセージを書く、縁談を拒否して彼氏と結婚することにするなど、ちゃっかりしてた。

image

次女のセルマと三女のエジェはそれぞれ縁談を決められ、あっという間に結婚させられることになるんだけど、セルマはちょっとぼんやりしたところもあって、そこに救われるところもあるんだけど(とはいえ、結婚式でのひとりでつまらなそうにしている姿はかわいそうだし、人の飲み残しを飲みまくって涙を流したり、夫となるやつが本当つまらないやつでかわいそうである)、エジェはもっと精神的に脆くて結果として一番不幸なことになってしまう。徐々に壊れていく。叔父のエロルは、夜中にエジェの部屋に入っていく。この叔父が最低で、おばあちゃんにもやめなさいと叱られてはいるけれど。

image

エジェを失った後も、四女のヌルに縁談がありまだ大人になっていないのに、おばあちゃんの頃はこの歳で結婚するのは当たり前だったみたいなことを言われて、結婚式になってしまうのだけど。そして、エジェの亡き後に今度は叔父は夜中にヌルの部屋に。

ラーレはとにかく活発で、思ったことは言うし、サッカーの試合を見に行ってしまうところとか、そこで知り合ったヤシンに車の運転の仕方を習ったり(そもそも車に乗って脱出しようとするとか)行動的で、一番現代的。この子が道を開いていくというのが、もっと大きな意味でも、この若い世代が世界を変えていく、いってほしいということが描かれているような気がした。

ヌルの結婚式の日に、ラーレは逆に家に立てこもり、そのあとヤシンの助けを借りて脱出するのだけど、そのときのヤシンの対応が素晴らしい。ヤシンは髪も長く、いわゆる新しい世代の男性の象徴であるとどこかで読んだのだけど、それにしても、本当にいい人だった。最初に出てきたときには面倒に巻き込まれたくないモードだったのだけどね。こういう古い因習にこだわらない男性も、変えていってくださいということかもしれぬ。

image

終盤のバスでイスタンブールに向かうシーンにはまるで5姉妹全員で移動しているかのようなシーンが挟み込まれていて、なかなか感傷的な気分になる。冒頭で転勤になる先生がいたのだけれど、その先生のところに駆け込むのだけれど、最終的には助けてくれるのだろうか…この先生一人では難しいのではないだろうか…。完全に一件落着ではないあたりが、モヤっとはします。


2016/6/17 恵比寿ガーデンシネマ 1スクリーン H列

二ツ星の料理人

BurntJohn Wells 2015)(KADOKAWA 2016年6月11日)

http://www.imdb.com/title/tt2503944/

image

不良シェフが三ツ星めざします

ダニエル ブリュールを観るために行ったようなもんですが、蓋を開けてみればシエナ ミラーばっかり見てました。ははは。
わたくし、あんまりブラッドリー クーパーを素敵!って思ったことがなくて、残念ながら今回もあんまり素敵だなあ…ってならなかったのだよねえ。


Cinematographer/Adriano Goldman

脛に傷持つ二ツ星シェフ アダム/ブラッドリー クーパー
腐れ縁の給仕長 トニー(多分お金持ち)/ダニエル ブリュール
腕が確かなシングルマザーシェフ エレーヌ/シエナ ミラー
パリ時代の仲間1 ミシェル/オマール シー
パリ時代の仲間2出所したばっかりのマックス/リッカルド スカマルチョ
ライバルシェフ リース/マシュー リス


アダムが牡蠣を剥く、100万個剥いたので、シェフとして復活することにして、ロンドンに向かい、トニーんちのレストランに押しかけ、難癖をつけて料理長に自分をねじ込む。なんて傲慢で自分勝手な人だろう。このシェフのモデルがゴードン ラムゼイ(名前しか知らない)。

このアダムが人間として成長していく姿を追うというストーリーです。

完璧でなければ気に入らず、激昂して料理を皿ごとひっくり返し、投げ、どこかに行ってしまう。それでも、周りが放っておかないのだから本当に才能があるんだろうなあ。でも、私はどうしてもこの人のことも好きになれず、なんでなんで…って思いながら観ていたので、あんまり入り込めず、どちらかというと表面的なものばかりを見ることに終始していました。

割とテンポが早く、ちょっとぼやぼやしていると置いて行かれるかもしれない。キャラクターが多すぎて(しかもなんだか豪華=エマ トンプソンのお医者さんとか、批評家のウマ サーマンとか)すごくごちゃごちゃしてたと思うんだよね。

美しく盛り付けられた料理は、お腹が空いてたらやばいくらいに美味しそう。

そして、アダムがスカウトする女性シェフのエレーヌが本当にタイプすぎて、わーかわいいこの服かわいい、この髪型かわいいわー…となっていました。バカですね。でも、本当に好みのタイプでした。耳の後ろのナイフのタトゥーとか、腕のナイフのタトゥーとか、ダラダラのTシャツにスキニーにマーチンとかもう、かわいいかわいい。シルバーのスリップドレスもめちゃかわいい。

タトゥーしてる人がすごくいっぱい出てきて、興味津々。こういうのって、メイクさんなのか、衣装さんなのか。

ただ、終盤に勝手に三ツ星が取れなかったと思い込んで死ぬ死ぬいいだしたところは、ちょっとグッときました。あれは、アダム自身がというよりはリースのすごく大人な態度がよかったのかなあ…と思っています。リース自身は店をめちゃくちゃにするほど怒ったこともあるんだけどな。

アダムは本当に周りに助けまくられている。

そして、大事なトニー、ダニエル ブリュールはうまかった。どうにもならないアダムに対する気持ち、報われない気持ちをうまいこと出してくれてて、よかったですね。シャツたたみながら匂い嗅ぐとか、シャワーしてるのをチラッとだけ見る、半裸に戸惑うなどなど。そして最後のキスされるとことか。トニーはアダムの才能にも惚れているからなあ。

理解力が足りなかったのか、アン マリー(アリシア ヴィキャンダー)って必要だったのかな…迷惑かけた師匠シェフの娘で、形見のナイフを届けてくれたけど…。

そして、ミシェルには騙された。本当に全く疑わなかったよ。あれはよかった。

もう少しどこかにポイントをおいて見られるような作りだったらよかったのかなあ。


2016/6/12 新宿ピカデリー シアター6 D列(D列は前が空いてて快適だけど、ちょっと見づらかった。GとかHくらいがいいのかな…)