Dunkirk ダンケルク

公開翌日に大阪まで観に行ってきました。感想書くのが遅くなった…。だからもう既に色々なところで語られていることばかりです。6ケルク目にして、初めて感想を書きます。

ストーリーや場面の描写などに触れています。しかも、無駄に長いです。

第二次世界大戦中、ドイツ軍に包囲された連合軍、その40万人の兵をイギリスに撤退させるための作戦だっていうことまでを予習、軍事や歴史にはからきし弱い(地理も)状態で鑑賞。

IMAXのカウントダウンもないまま、ぽーんとダンケルク近くの市街地に放り込まれます。まさに体験型の映画でした。

時間に感して何らかのこだわりのあるクリストファーノーランの作品ですから、ただただ時系列に戦闘を追ったものではありません。防波堤(MOLE)の1週間と海(SEA)の1日、空(AIR)の1時間が交錯しながら、そして最後に収束していくまでを描いています。台詞も極端に少なく、登場人物のバックグラウンドはほとんど説明されません。それなのに、胸にせまるシーンがいくつかあり、涙を流してしまうのでした。

それから、戦争映画であるにもかかわらず、特に最近は戦争の悲惨さとかそういうものを表現するために血が出たり、肉が飛び散ったり、見るだけで痛い映像が多いのですが、血もほとんど出ません。辛い苦しいとしたら、溺れることくらいです。病院船が沈む時に、叫び声が聞こえる(多分挟まれてるんだよね、あれ)ことで何が起きているのかを表すとか、そういう感じです。それにドイツ軍と戦っているのにもかかわらず、人としてのドイツ軍人は全く出てきません。

ただ、音とそのタイミングでびくーっとなってしまうところがあって、ビビリの私は怖かったです。最初のトミー以外が全て撃たれてしまうシーンとオランダ商船の船室のシーン。そういえば銃撃の音が乾いた音で、それがなんだかリアルに聞こえたなあ(本当の音など知らないのに)

一応の主人公トミー(便宜上名前がついていますが、作中で名前を呼ばれたりしていません=フィン ホワイトヘッド)は、とにかく家に帰りたい(あとはトイレに行きたかったはずなんだけど途中で忘れられてる…)んです、ズルをしてでも帰りたい。なので、怪我人を運ぶのを手伝うというテを使って(うんこしようと思ってビーチの陰に行った時に出会った)無口な男(アナイリン バーナード)と病院船に乗り込もうとする。でも、バレておろされる。無口な男とはその後も共に行動する。病院船が沈む時に助けたハイランダー(高地連隊)の男(アレックス=ハリー スタイルズ)ともなんとなく一緒だ。多分、こいつについていれば帰れそう、と思ったんだろうな。確かにその通りなんだけれども。

無口な男は、フランス人でした。それを知っている2回目以降では、ハイランダーズと一緒に乗った船で一緒に船室に入らなかったこと、甲板から火の手の上がるビーチを見ていた時の表情などにグッときてしまうのです(中の人は英国人{ウエールズ人}なので、流暢に英語を喋っているインタビューなど見ると、ホッとします)そして、皆に手を差し伸べてきたのに、最後は自分に差し伸べられる手がなく、海の中に沈んでしまうのです。悲しい。

ハリー スタイルズは、私はそんなに気にならなかったのだけど、そう言われると確かに一人キラキラしていたような気もします。ハイランダーズは制服のエポーレットのところにA&SHというバッヂがついていてなんだろう、と思っていたんですが、アーガイル&サザーランドハイランダーズという連隊だったようです。制服違うのに一緒に連れて行ってくれて優しいな、と思ったりした(そんなに甘くはないわけだけれども)この彼は割と兵士としての誇りみたいなのがあるのか、撤退してくるなんて、本当にだらしない、唾をかけられても仕方ないと思っているところが、想像していた外国の兵士(日本の兵士に比べて)とはちょっと違ってた。まあ、切り替えも早いわけだけれど。

この撤退する若い兵士たち以外に、海岸には海軍の少佐と陸軍の中佐がいます。海軍のボルトン中佐(ケネス ブラナー)、お父さんみたいな感じです。陸軍のウィナント大佐(ジェームス ダーシー)より偉そうに見えます。制服のせいもあるのかな、威厳のある制服だなー海軍なー。ウィナント大佐が3時間で潮が満ちてくると思っている時のボルトン中佐のセリフが粋(日本語字幕だと意訳されているけど Then, It’s good that you are army and i’m navy isn’t it?)この後、ハイランダーズも潮が満ちてくるまで3時間と言ってるのがかぶって面白い。ボルトン中佐が、沖からやってくるたくさんの船を見て、まず口元が笑い、そして「home..」と言ってうっすら涙を浮かべ、その後、プライドを持って船を操ってやってくる人たちのシーンで毎回号泣です。

ドーセットの駅で毛布を配る人、目を見なかったと悪態をつくアレックス、その人は盲目であったことを知っているけれど、それを言うわけでもないトミー、ここでトミーの撤退は終わるのです、時計の音が止まる瞬間。翌朝、新聞を読まされるトミー、自分ではこれ以上読めないと言うアレックス。

海のパートは空と陸をつなぐことが多い。海軍に接収されそうになって、自分の船は自分で操縦したいと船を急いで出すドーソン(マーク ライランス)さん、そして息子のピーター(トム グリン−カーニー)そういえば、ムーンストーンに乗っている民間人の三人は名前もあるし、ちょっとしたバックグラウンドもある。ジョージ(バリー コーガン)は17歳、何か手伝いができると思ってついてきた。

まず、遭遇するのが壊れた船の上で震えている兵士(キリアン マーフィー)彼は陸パートで、沈没した船から泳いできたトミーたちを乗せない小舟に乗っていてテキパキとした様子で二人に待つように言ったり、このままドーバーを超えるのは無理だと諭したりしている兵士だ。(キリアン知らないと別人と思ってここをスルーする案件が多いらしい、別人のようになるんだけど、うますぎたよキリアン)震える兵士がシェルショック状態であることをジョージに説明するドーソンさん。彼も前の戦争で戦っていたし、息子をこの戦争で亡くしていた。震える兵士(そういう役名なのすごい)はダンケルクに向かうことを激しく拒否し、挙句ジョージを船室に落としてしまう。この時の必死さがとても痛々しいのだけど、その後で重油にまみれた若い兵士たちの救助にも手を貸し、ただの腰抜けではないことを見せるのだけど、それをジョージは目にすることができない。

海と空とが交差するのは割と早い。船からは3機揃って飛んでいくスピットファイアを仰ぎ見ている。ロールス・ロイス製のエンジンの音についてドーソンさんがいうのは、後に起きる事柄を強調させるためもあると思う。そして、海の上からメッサーシュミットを撃墜する姿を見た後で、白煙を上げて着水するスピットファイアを猛スピードで追いかけるドーソンさん、彼の息子も空軍で出撃したまま帰らなかった。この時のドーソンさんの必死で助けようとする様子も泣かせる。コリンズはピーターが風防を割って助けた。助けられたコリンズ(ジャック ロウデン)の第一声が「アフタヌーン」である。字幕は忘れた「助かった…」とかそんな感じ?アフタヌーンじゃなきゃダメじゃないか、ここは。

海と陸が交差するのはそれからしばらくかかる。ハインケルが掃海艇を爆撃して海に投げ出された兵士たちをたくさん救った。その中にトミーとアレックスもいた。ハイランダーズもいた。震えていた兵士も手伝ったし、スピットファイアに乗っていたコリンズも手伝った。トミーは最後にピーターが手を取った兵士だった。それは最初にトミーがアレックスを助けたシーンと重なる。ハインケルが撃墜されて墜落した時のコリンズの判断とその様子が大変かっこいい。ムーンストーン号は火災に巻き込まれることなく、ドーセットの海岸に着きます。陸に上がると空軍の制服をビシッと着ているコリンズは際立つし、そして、罵声を浴びることになるのですが、ドーソンさんの言葉に救われるのです。ドーソンさんほんとすごい。

ジョージの最後の願いに応えるピーターがまた泣かせるのです。

空はたったの1時間です。出撃した3機のスピットファイア。カレーに行ったほうが良かったのでは?と言っていたのはコリンズ、カレーはすでに敵に包囲されているので、ダンケルクに向かうと言うリーダー(声はクレジットなしのマイケルケイン)計器のチェックをすること、敵機を攻撃しても、帰りの燃料は残しておくように、と言うこのセリフが終盤に効いてきます。しかし、リーダーはあっけなく撃墜されてしまう。残った2機で作戦を遂行するけれども、フォーティス1の燃料計は壊れてしまう。フォーティス1のファリアー(トム ハーディ)はとても落ち着いていて、コリンズにとってもとても頼りがいがありそう。メッサーシュミットに後ろにつけられて焦っている時も、ファリアーが救ってくれます。

ハインケルが駆逐艦を攻撃しようとしているのを見つけて、爆撃機をファリアーが、メッサーシュミットをコリンズが攻撃した時に、コリンズが撃墜して大喜びするところがちょっと微笑ましい。その後すぐに自分が撃墜されてしまうわけですが…。パラシュートで降りなかったのは、海面が近かったからかな。着水するまでは緊張してやっているわけですが、割とスムーズでうまくいくのですが、風防が開かない。この開かないのか長い。他の溺れるシーンと重なっていてずっと溺れている感。そういえば、溺れるシーン多め。開かなくて開けようともがいているところを上空から見たファリアーが手を振っているのだと思ってしまうところがちょっと面白い。その後ファリアーは機体を揺らして(機体を揺らせるのは何らかのメッセージらしい)去っていきます。ファリアーは無事なんだと思っているんだろうな。

このスピットファイアに当たる弾の音もバチバチというような音で、怖い音。追撃してきたメッサーシュミットはなんとか撃ち落として、一瞬ホッとしたのもつかの間、ミラーに映った爆撃機と海上の商船と哨戒艇、いっときの逡巡、この時目しか見えていないわけですよ、それもちょっと不鮮明な。なのに、心の動きのようなものが全部伝わってきて、ここで音楽もずるい感じになっていて、泣かされてしまうんですね、毎回。

哨戒艇は一度の爆撃でもうほとんど沈んでいるのに、また爆撃機は戻ってこようとします。海の上では戻ってくる爆撃機に警戒の声が上がります。最初の爆撃を防ぐことができなかったファリアーは、予備の燃料を使ってこの爆撃機を撃墜します。

そして、燃料がなくなり、エンジン音が消え、風切り音だけがする操縦席からビーチに並んでいる兵士たちを見下ろします。プロペラが止まったスピットファイアが空を横切るのを堤防にいるボルトン中佐がホッとしたような顔で仰ぎ見ます。その直後、彼の顔が険しくなり、その視線の先にいるスツーカを捉えます。そして、操縦席からもそのスツーカをとらえます。そして、撃墜されて墜落するスツーカ、これがおとぎ話と言われる所以ですが、滑空状態から旋回してスツーカを撃ち落とし、そしてもう一度海岸沿いを逆向きに滑空するスピットファイア。実は私ここのところ、全然わからなくて、何度見てもわからなくて、人づてに聞いてやっと理解できたシーンなんです。まさか滑空している戦闘機が撃ち落とすわけないよねーと思っていたからです。編集ミスなんじゃないの?なんて思っていましたからね。

そして、誰もいない海岸にスピットファイアは着陸します。そして照明弾?で火を放って、燃える機体を見つめるファリアー、そこに銃を突きつけるドイツ軍。捕虜になってしまうんだろうな、なんという自己犠牲。このファリアーのパートだけなんだかすごく感情的なんですよね。ノーラン、トムハーディ大好きか。

 

戦闘機のこととかは、こちらのブログがとても参考になりました。

 

IMAXフォーマットで撮影されている部分が多い、IMAXでの鑑賞を推奨ということで、これこそが大阪遠征するタイミングではないか!と思ったので109シネマズエキスポシティに行ってきました。結果として、もうそれ以外では満足できないんじゃ?という気分です。本当に天地が大きい。正方形に近いスクリーンで臨場感半端なかったです。それにエグゼクティブシートはリクライニングしました(木場の109はしない)