神様メール

Le tout nouveau testament
The Brand New Testament(2015 Jaco Van Dormael)(アスミック・エース 2016年5月27日)

http://www.imdb.com/title/tt3792960/

神様は存在する。ブリュッセルのアパートの一室に。

予告を見たら大変面白そうだったので観に行きました。最近は単館ぽい映画もシネコンでやってくれるので快適第一な私は嬉しい限りです。


神様の知られざる娘エアが、下の人たちに寿命を知らせるメールを一斉配信。自分の寿命がわかった人たちの悲喜こもごも、そして、新・新約聖書を書く使徒を18人にする(あと6人増やす)(お母さんの大好きな数だから)(お母さんは野球が好き)スカウト活動を描きます。

エアが父親への仕返しのつもりで寿命メールを送信します。エアちゃんかわいい、少女っぽさと聡明さの塩梅がちょうどいい。

神様が、こんなだらしないおっさん(娘に暴力を働いたり、妻に対してなんのリスペクトもなかったりする)だったとは、数々の試練がおっさんのいやがらせまたは、面白半分のいたずらだったとは。本当にやなヤツなんです。

だいたいこんな感じで、だらしない格好でパソコンから世の中を操作している。でも、このどこまでも続く引き出しのところはよくできててすごい。

創世記あたりのざっとした説明のところも笑えた。

JC(イエスキリスト)が普段は置物なんだけど、エアが話しかけると動き出し、わりと普通のお兄ちゃん風に色々教えてくれたりして笑える。

冷蔵庫の中が空っぽだったり、棚の中が空っぽだったりするけど、一回扉を閉めてまた開けると中がぎっしり(でも一種類しか入ってない)になったりするところが普通のお宅ではない感じだけれど、あとはずっとスポーツチャンネルがつきっぱなしのキッチンから続く居間とか、まるで普通の団地の一部屋。

JCに教えられた通り洗濯機の中に入って、下のコインランドリーからでてくるところ、エアの時は普通に出てきたんだけど、神様の時は洗剤まみれでぬるっと出てくるところがまるで出産じゃなかったか。

エアが最初に出会ったヴィクトールというホームレスを記録係として任命するのだけど、記録する人は使徒ではないのか(新約聖書のことがよくわかっていない)使徒は、エアが適当な引き出しから掴んできた書類で探すのである。

ヴィクトールに対して父性のようなものを感じてしまうエアは不憫だ。

次々と出会う新しい使徒たちと彼らによる福音書と、彼らが見る夢(奇跡)、そしてエアが聞く音楽。誰もがどこか寂しくて、どこか孤独。使徒が増えるたびに居間に飾ってあるJCの最後の晩餐の絵の中に使徒が増えていくんだけど、タッチ違いすぎるだろ、というところも含めて笑える。

使徒一人一人にエアが見せる奇跡や、エアとヴィクトールが終盤で見せる奇跡に使われるCGはかなり高度なものだったりするのだけど、それをさらっとやって過ぎていくところがハリウッド映画とは違う趣。気に入ったのは、オーレリーの左手。あれは結構長いカットだったのに退屈しなかった。

カトリーヌ ドヌーヴ!

神様がいく先々で受けるひどい扱いがなかなか笑えていい。特に教会の神父とのやりとりは最高だ。

使徒たちとエアはみんなが最後を迎えるために向かう海へと向かう。自分の最後を海で迎える人とそれをアテンドする旅行会社や葬儀屋でごった返す海辺。

そのころブリュッセルでは…。夫も子供もいなくなった部屋で、いつものルーチンをこなしつつ、オカンアートも炸裂させていたお母さんが、パソコンを強制終了(一番やったらダメなやり方だけど笑)したことで、このあと色々起きるんだけど、これが痛快すぎた。

あと、所々で出てくるケヴィンが「寿命までは何をしても死なない」からってお試しするシーンがちょいちょい笑わせてくれたけど、最後のシーンは意味深である。


2016/5/27 TOHOシネマズ新宿 スクリーン4 E列

パンフレット720円

マクベス

Macbeth(2015 Justin Kurzel)(吉本興業 2016年5月13日)

http://www.imdb.com/title/tt2884018/

配給が吉本でびっくりだね。

シェイクスピアのマクベスです。原作は読んでない(きっぱり)(読んだ気がしてたけど、読んでなかった)


撮影監督/アダム アーカポー

マクベス/マイケル ファスベンダー
マクベス夫人/マリオン コティヤール

日本オフィシャルサイト


マクベスが魔女の預言に惑わされて王を殺して自らが王になりそして殺されます。

マクベス自身の預言は当たってほしいけど、次の王になるだろうと言われた友人のバンクォーの息子のことは当たってほしくないから、殺してしまうとか、そういう時代だったのだろうけど、ひどい話だ(日本の時代劇と同じか)

とにかく映像が綺麗。綺麗というか、最高にわたくしの好みでした。気になったので調べたところ、アーカポーさんはTrue Detectiveの撮影もした人だった。

霧に覆われたスコットランドの荒野、戦場なのに静謐なムードでスローモーションで滴る血、霧の中から現れる魔女たち。この魔女たちの衣装とメイクが素晴らしかったですね。特に顔に施されたスカリフィケーション。

最初のシーンからガッツリ雰囲気に飲み込まれる。

主演の二人がすごかった。どんどん狂っていくマクベスと、それにつれて心が離れていく夫人。自分がそそのかした殺人によって、夫が狂っていくわけだから、仕方がないのになあ…と思ってはいたけど、終盤の夫人が亡くなる直前のシーンのコティヤールの眼がすごかった。吸い込まれた。

マクベス夫人とマクダフ夫人のメイクアップが印象的だなー、あれは素敵すぎた。

運命に絡め取られていくマクベスの心の弱さ、狂気の表現がすごいよ、フェスベンダー。もう、かわいそうでしかない。

マクダフの妻(エリザベス デビッキ)と子供たちが、無実の罪をなすりつけられ追われるところで、ものすごく気持ちが入ってしまってここで泣いてしまいましたよ。デビッキもうまかったのかな…。そのあとの火あぶりのシーンとかもうひどいんだけど、それが美しいとかもうね…。

それ以外にも、亡霊としても現れる最初の少年兵の姿がすごく印象的だったなあ…。

イングランド軍に火を放たれた赤い画面とか。

ああ、もっと大きいスクリーンで観たかった。


2016/5/14 109シネマズ木場 シアター6 F列(スクリーンはまあまあサイズ、F列は前が通路なので楽チンです)

パンフレット720円。こちらも画像が綺麗。

ヘイル、シーザー!

Hail, Caesar!(2016 Ethan Coen, Joel Coen)(東宝東和 2016年5月13日)

http://www.imdb.com/title/tt0475290/

俳優陣が豪華、でもちょっと人を選ぶ映画だよという評判から二の足を踏んでましたが、安い日に見ればいいか…などと失礼な感じで見に行ったら、大変面白かったです。


撮影監督/ロジャー ディーキンス

何でも屋マニックス/ジョシュ ブローリン
大スター俳優ウィットロック/ジョージ クルーニー
期待の大型新人ホビー ドイル/アルデン(オールデン) エーレンライク
はすっぱ美人女優ディアナ/スカーレット ヨハンソン

オフィシャルサイト


50年代のハリウッドの映画でかいスタジオ、大作の撮影中に主演俳優が誘拐される。何でも屋のマニックスが合間に就職活動しながら奮闘します。

それぞれちゃんとモデルとなる俳優とか監督とかいるみたいだけど、その辺はよくわからないまま観ましたけど、特定の人はわらかなくても50年代ってこんな感じよね、というのがわかっていれば楽しめるのでは…。

マニックスが若い女優さんのスキャンダルもみ消しから、誘拐された俳優の後始末から、プレスの対応までなんでもやるんですけど、そうしつつも、常に迷っていて、敬虔なクリスチャンで禁煙の誓いを破ったからと懺悔をしたりするんですよ。ボーダーラインの時のブローリンの強面とはちょっと違う疲れたお父さんみたいな感じがよかった。

だだっ広い敷地に巨大なスタジオが並ぶ姿がものすごく壮大。

それぞれのスタジオでそれぞれの映画を撮っているんだけど、セットもでかくてほんとにすごい。ちょっとしたお金ならすぐに用意しちゃうところとか、スケールでかいです。

何よりもこの映画で心奪われたのは、オールデン エーレンライクっていう俳優。観てから調べるまで知らなかったんだけど、この人が若きハン ソロをやる人なんですね。この人の人を惹きつける感がすごかった。見た目がすごくハンサムという感じではない(失礼)んだけど、ちょっとクラシックな佇まいとかまなざしとかかな…。運動神経抜群、手元を見ないでロープを八の字巻きしたり、投げ縄したり、これはハンソロじゃなくてインディジョーンズでは…。すごく大根役者であるということを前提にしているこの人の演技がすごい。

カウボーイ映画で人気の俳優でこれから全方面に売り出していこうっていうところで、ローレンツ監督(レイフ ファインズ)の作品に出るんだけど、そのやりとりが傑作だった。劇場が笑いに包まれたよ。その後のシーンで編集中のフィルムが流れるところがあるんだけど、そこで、がっつり心を掴まれたよ、間違えて言ったセリフがものすごく活きててハッとした(映画って…映画って…)編集してるのがフランシス マクドーマンドで、ここしか出てこないとか贅沢、そして体を張った一発ギャグ。

誘拐された先で共産主義者の脚本家たちにすっかり心酔してしまうスター俳優とか、共産主義者たちが応援していたのは、ミュージカル俳優(チャニング テイタム)だったとか。風刺がきつめ。

いつものセクシーヴォイスを封印してガラガラ声のはすっぱ女優をやったスカジョも良かったですね、本筋に全く関係なかったけど。

撮影監督がロジャー ディーキンスなんですけど、もうどうでもいいところで美しい引きの映像とか出てきて(マリブの海辺とか)別に無駄遣いではない。多分。十字架のセット(ゴルゴダかな)を見上げるマニックスの後ろ姿のカットとかが、無闇に美しくて胸を打つ。マニックスが信心深いから余計か。

ロッキード社のヘッドハンティングに、結果として応じない(待遇もいいし、仕事も楽になるのに)ところに映画愛を感じました。

出演者調べてて、クリストファー ランバートの名前があってびっくりした。嫁がいるのに若い女優に手を出すなって叱られてたのがそうだったのか!全く気が付かなかった。ミュージカルの監督だったっけ…。

ミュージカル部分はなんだかゲイゲイしい雰囲気で、チャニング テイタムがキラッキラしてました。


2016/5/16 TOHOシネマズ新宿 スクリーン3 E列(真ん中の通路脇がスクリーン中央になるタイプ)

Before We Go

Before We Go(2014 Chris Evans

http://www.imdb.com/title/tt0443465/

クリス エヴァンスが監督したラブストーリーです。なんとなくBefore Sunrise(リチャード リンクレイターのやつ)を思わせるような、でも、それの大人版のような作品です。評価は低いです笑(←笑うところか…)

オンデマンドで観られる(オフィシャルサイト)ようになっているというのがTLで流れてきていたので、気になっていましたが、連休なので見ることにしました。が、散々日本語でまでツイートしてたくせに字幕がありません。英語字幕もないので1.3リンガルくらいの私には難しいところもありつつも、置いていかれるようなことはありませんでした(聞くのは割と得意)


クリスマス前のNY、グランドセントラル駅、家路を急ぐ人、どこかに出かける人が行き交うなかで、トランペットを吹いている男が一人。しばらくしてトランペットをしまって電話をしている彼の目の前を駆け抜けていく女性が携帯電話を落とします。

壊れた電話を渡し、最終電車に乗り遅れた彼女に余計なお世話と知りながらも、事情を聞き、手助けをしようとする。

男はニック(クリス エヴァンス)、お気に入りのジャズバンドに加入できるかもしれないオーディションを明日に控えている。

女はケイティと名乗るけれど、それは偽名で本名はブルック(アリス イヴ)。バーでポーチを盗まれ、一文無し。しかも何やら事情を抱えている。


一晩をNYの街中で、話しながら歩き回り、ちょっとした冒険をし、ほんのりした気持ちを共有するふたり…。という、結構ベッタベッタに甘ったるいお話です。クリエバはロマンチストなんだなー。

Before Sunriseと違うのは、このふたりがまあまあ歳がいっているのと、片方は結婚しているし、片方はずっと抱えてきた想いがあるところ。それが、ブレーキになるところ。

もうなんか、見てるだけで、えへへ、ちょっと、クリエバ…恥ずかしい…。ってなるくらいのシーンとか結構あるんだけど…。あと実際こんな優しい人いる?いるの?という感じ。同じNYだからかもしれんけど、フランシス ハのこともちょっと思い出したし、はじまりのうたも思い出したかな…。

劇場で観るかっていえば見ないんだろうけど、おうちにカレシとかカノジョとか呼んで、カウチでカドルしながら観ると大変いいんじゃないでしょうか。あとは、あまあまのクリエバを見ておきたい人向け。


2016/05/03 アプリで観た。

シビル・ウォー キャプテン・アメリカ

Captain America : Civil War(2016 Anthony RussoJoe Russo)(ディズニー 2016年4月29日)

http://www.imdb.com/title/tt3498820/

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ええ、まあ、初日、初回を観に行きまして、そのあと4回観てるんですけど、まだ考えがまとまらず、もう少ししたらちゃんと書こうと思います。

そういえば、検索してて気がついたんですけど、シビル・ウォーがタイトルなんですね…がーん。


とてもよくできたフェーズ3(だっけ?)の幕開けなんですけど、やっぱり、ちゃんとウィンターソルジャーの落とし前は付けてほしかったな…っていうのがね…うん。落とし前はちゃんとつけてはいるとは思うんだけど…ねえ。

エージェント カーターも全部観たし、もう一回今度は2Dで観てから書きます。

乞うご期待(えー)


というわけで、2Dでも観ました(だからって何が変わったってことはなかった)(もう少し間を置いてからもう一回観たい)ので、やっと感想を書こうと思います。まとまりなくてすみません。

書く前からアレですけど、多分長文になります。そして、完全に筋を追ってますし、盛大にネタバレしています。鑑賞後にお読みくださいです。

ちなみに私はチームキャップ派です。


音楽はウィンターソルジャーに続いてヘンリー ジャックマンだったんだけど、前の方が良かったなー。プロダクションデザインがマトリックスのオーウェン パターソン。撮影監督はトレント オパロック、ブロムカンプとのコンビの人ですね、ウインターソルジャーもこの人。字幕翻訳は林完治。


1991年、シベリアの山の中、コールドスリープに入っていたウインターソルジャーが起こされ、なんらかの暗号で操られ、任務を完了する。この任務は何度かリフレインする大事なシーン。コールドスリープから出てきたけどむっちりしているバッキー笑。ほんと予告編て何もかもバラバラにしてピースを組み替えて出してくるよね…って思いました。心から。

最初の現代のラゴスでのアクションが本当によくできていて(ツッコミどころはガスが充満してるところに、入っていったキャップが敵のガスマスクを外して相手は苦しんでもがいてるんだけど、あれ?なんであんたは平気なの?キャップっていうところくらい)とくに、ブラック ウィドウの格闘がキレッキレでかっこいい。ここでまさかのラムロウ退場とは思わなかった。びっくり。そもそも字幕では割愛されててあんまり分かりにくかったけど、最初からラムロウはキャップが来たら心中しようとしていたわけで(もう逃走はしない、集合はしない)なんという個人的な恨み。そこで彼の口から「バッキー」の名前が出たことでキャップの判断がちょっと鈍るとか…。

このラゴスでの戦闘で一般市民の犠牲がまた出たことで世界的に問題になって、ソコヴィア合意協定っていうやつを国連が発動させて、勝手に自警行為ができないようにしましょうっていってくるっていうところから、アベンジャーズが二つに分かれて戦うことになります。でも、ラゴスの11人でこうなるっていうのもなあ…ニューヨークとかの方が犠牲は大きそうなのに(この時の市民の声も否定的なものもあったよね)(ソーの時のもあったっけ)

シールドが崩壊したことで、アベンジャーズは個人の集まりになってしまっているんですね、そうだ、そうだったと気が付いた。でも、ニューヨークの時はまだシールドの仕事だったんじゃないのかな…。

かたやスタークはMITで自分が発明したトラウマ克服システム(正式名称忘れた=BARF=げろ)を発表して、MITの学生に資金を与えるなんていうことをやっていた矢先に、ソコヴィアで息子を失った女性に出会って反省を促される。それにしても、BARFの映像はびっくりするね。あの若者からRDJの声がして、確実にあの顔はRDJだったもんね。どうやってるのかな…ペギーの逆バージョン合成なのかな。

そこにこの協定(合意)が来たものだから、これに賛成することによって罪滅ぼしができるように思ったのかな…と思いました。長期的には考えてなくて、適宜変更していけばいい、できる、と思っているんですよね(耳が痛い)

これ、それぞれに身内みたいな人が賛成と反対に分かれていて、明確に意見を持っているのは他はナターシャだけのような気がしたなあ…。

そこに、ペギーの訃報が届くんだけど、ここの字幕を覚えてなくて…メールの文面もはっきり覚えていないんだけど、she died in her sleep(passedだったかなあ…)になっていて、これ、終盤のシーンでも出てくるんですよねえ…全然別のシーンで。泣き腫らしたような目のスティーヴが痛々しい葬儀のシーン。シャロンのことは前々から噂になっていたので、特別驚かなかったかな。

クリーヴランドのシーンでもそうだったんだけど、なんでジモの左足を映すんだろう。計3回は映してた。まさかの靴のプロダクトプレースメントでもあるまい。この怪しさ100%のジモ、コミックのバロン ジモとは関係ないのかな…。若いしな。元特殊部隊とか、ポテンシャルは高そう。ブリュールっていかにもなヨーロッパ感があっていいですね。ドイツ語はネイティブだし(トリリンガルなのかな…)この人は単純に復讐に燃えているだけなんですよね。アベンジャーズさえいなければ…って思ってる。

国連の会議で爆発が起きてティ チャラのお父さんティ チャカ王が亡くなるんだけど、このシーンの(とその前もだけど)ティ チャラの少年性みたいなものはなんなのか…うっかりもらい泣きをするほど、このシーンが説得力がありすぎて、後でチャドウィック ボーズマンが39歳と知ってすごくびっくりした。20代でも通りますよ。

その爆発の現場でバッキーが目撃されたということで全世界的に指名手配になるんだけど、そのころブカレストで最初に出てくるところで、プラムを選んで買っているんだけど、ルーマニア語で何か喋ってるし。お店の人と笑顔をかわしたりする余裕が隠匿生活をしているバッキーにあってよかったよね。

シャロンの流してくれた情報を元に、キャップがやってきたブカレストのバッキーの部屋は殺風景で、娯楽の類があるようではなく、ベッドの上に寝袋を置いて寝起きしているようだし、お菓子くらい食べてもいいよね…と思ったけど、これもさりげないプロダクトプレースメントなのか…もしかして。きっとすっかりキャップのことは思い出しているはずなのに、展示で見たなんて言っちゃって…キャップもそれを見抜いて嘘ついてるだろ…っていうけど、そんなやりとりを続ける暇なく特殊部隊が突入してくる…。

ここでのアクションシーンは、お互いに頼り合っている共闘という感じではないんだけど、なぜかすごく息が合ってしまっているところが、ちょっとグッときた。とくに序盤のところで、手榴弾を蹴りこんでシールドで蓋するところとか(あれ、床に穴あかないのかな?)二人でシールドに隠れた直後のキャップごと吹っ飛ばすところ、階段のシーンとか本当にいいよね。息合ってるよね。ところで、キャップの顔をかすめて床ぶん殴ってリュック取り出すシーンはちょっとドキドキした(違う?意味で)

そのあとのチェイスシーンで、バイクをひったくるバッキーがかっこよすぎた。あのシーンだけ繰り返し見たい(流出してたやつ貼っておくもう少し長く見たいんだよー)

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この後のキャップとスタークの会話の中で、いかにスタークが自分のことを第一に考えているか、いかに保身に走っているかを自ら口走ってしまうのだけど、うっかりさんだよなー。キャップはペンを返す時に「セットをバラしたくないから」っていうんだよね。これは暗喩ですか。

捕まっても、割と穏やかな顔をしているバッキーが暗号で別人になってしまうんだけど、どこかにかすかに本来のバッキーが残ってる感じがなんとも切ない感じで、ナターシャに「私のことわかるでしょ」って言われた時とか、ヘリで逃げようとした時の、ふとした拍子に見せる表情とかなんともいえんものがあった。でも、スタークのことは知らんから容赦ない(シャロンにも)でも、ナターシャはバイバイビキニの恨みしかないんじゃないかと思うんだけどなんであそこで声かけた?

ヘリのシーンはね、ただのポルノです。筋肉ポルノ。ただ、ポルノの裏にスティーヴの今度は絶対に離さないと言う気持ちがあって、それとその時のバッキーの表情とかがね、またね、泣かせますよね。見慣れてくると気持ちの入れどころを失って、ただのポルノになってしまうのが困る。

キャップは、そのままバッキーを連れて逃亡。バッキーは正気に戻って、その後再びの1991年のシーン。ここのところは若干の説明臭さがあったけど許容範囲かな…特にバッキーのセリフがなー説明調だったよねえ…もったいない。

国務長官にキャップたちを連れ戻すと約束を取り付けるスタークはここは保身とかなんだろうか…ここはキャップがいなくなられても困る…なんだろうか。やっぱり保身かな…。

ここからしばらく息抜きのようなシーンが続くんだけど、これがよくできてたと思う。バラバラに息抜きされるとこちらの集中力が続かなくなるし、ここがまったりしすぎると緊張感なくなるし。ここでスパイダーマン出したのはうまかった。しかも脚本がうまかった。トム ホランドがうまかった。

スーパーヒーローが、果たして自分のやっていることは正しいのか、なぜそれをするのか、というのは最近のヒーローもののテーマとなってるし、新しいスーパーマンのシリーズでは、常にそれでスーパーマンが悩んでいるんだけど…。ここでも、スパイダーマンのセリフに、なにもしなかった時に何か悪いことが起きたら、自分が悪いことをしたような気がするから、困っている人を助けると言っているんだけど、このセリフを聞いた時にそんなに「はっとした顔」をしないんだよね、スタークがさ。あれ、もうちょっとはっとしてほしかったかな。どっちかというと、俺と同じだな…くらいの印象だった。スタークはちょっと違うような気がするんだけど…。

その後のほっこりキスシーンは、いい溜めになっていました。これから起きる戦いの前の一息いれるところ(アントマンとの顔合わせも含めて)としても、その後のファルコンとバッキーが共闘した時に息が合うのも、あの二人がにっこりして頷いてたから、納得できる。

空港の対決は、目的が二つのチームで(というかそのリーダーで)食い違っていて、話聞けよスタークっていう感じなんだけど。多分、スタークとしてはバッキーを逃がすためにクイーンジェットに乗ったと思っているだろうし、話し合いは大事だねと思いましたよ。

このシーンは深刻な雰囲気ではなく、力くらべというかそいう感じです。ブラックパンサーだけは本気ですけど。ここで、バッキーは俺じゃないっていうんだけど、信じてもらえない。

そして、全てをアントマンに持って行かれた笑。スパイダーマンも軽口叩きながらの戦いでかなり楽しかったのだけど、アントマンのあれは卑怯。直前のカットから笑わせた上のあれだもの。

ここでのナターシャはあのずっとモヤモヤしていた感じを行動で現したとはおもうんだけど、ナターシャは逃したと思っているんだろうなあ…と思うと複雑。これから戦いに行くのだけど…。それに、ティ チャラさんも意外な攻撃を受けてその後どうなったのか気になる…。ちゃんと追っていってるしなあ…。

深刻ではなかったシーンが、うっかりミスで深刻な幕引きとなるのだけど、ここもまた、予告によってミスリードさせられてたことに気がついて、え?ってなりました。

残された人のことを気遣うバッキーとなんとかするというキャップ、それよりは目先のことのほうが大事、というところで、5人の超人セラムを投与された奴らを倒しに行くのであって、逃避行ではないのだけれど、逃避行のように見えるなあ…と思ったわけで…。ここの寂しげバッキーはいいね。陰のあるセバスチャン最高。

残された人は、またこれもミスリードさせられてた刑務所(まさかね、なんかの基地だと思っていたよ)に収監されていて、なんという酷さ。まあ、スタークも知らなかったと言ってはいるものの…ひどい。裁判もなく収監されていたわけで。

キャップとアイアンマンがガチで戦うのが、思ったところじゃなかったのが一番びっくりしたかな。ここも予告にまんまとミスリードさせられていたというか。一旦和解するなんて、それなのに、結局もっと私情だけで相まみえる事になるだなんて思わなかった。しかも、途中では5人の超人兵士たちと戦うのか…と思っていたから、その肩透かしにもびっくりした。

ここで三たび1991年の回想というか、今度は映像。その日のことという意味では、スタークが見せたその裏側も含めて4回目だな。

そして、ラストバトルのところは、初見ではまさかの腕吹っ飛びに本当にびっくりした。予告であれの直前が流れていたので、あれはアイアンマンに致命傷喰らわせるものだと思っていたから、逆でびっくりだよ。それを目にしたキャップが本気でアイアンマンを殴りにきているところ、半泣きでとどめのシールドを突き立てるところはグッときた。そして、弱ってるバッキーに肩を貸してシールドを捨てる(割と悩まずに)キャップ。ここでもスタークはカッコ悪いおじさんなのである。殺されると思っちゃったんである。

全体的に見てて思ったのは、そうなんだよね、バッキーは接近戦用の戦闘員じゃなくて(もちろんメタルアームあるし、セラムも効いてるから普通よりは強いんだろうけど)もともとスナイパー的な人だもんね、バッキーは…。銃をもたせてくれ、だけどこれで殺さないとか難しいね…。組みあったらティ チャラの方が全然強いし、もしかしたら、体力の差がなければ女の子にもやられそうだし、勝てるのはスーツ着てないおっさんだけじゃないのか…。

今回はねえ、音楽がイマイチだったなあ…。前回と同じヘンリー ジャックマンなのに、なんでだろう。前回はそれぞれ各人のテーマがはっきりとあって、それが混ざり合ってすごくいい曲になっていたのになあ…。とくにラストバトルの音楽はちょっと引くくらいドラマチックすぎた。あれはやりすぎじゃあ…。

全体としては文句の言えない作品で、すごくデキがいいと思ったし、対決だから仕方がないのだけれど、アイアンマン(スターク)の心情が描かれすぎていて、キャップ3と思えない、どっちかっていうとアベンジャーズっぽかった…。しかもアイアンマンぽくもあった…。あのヘリでのアーマーお着替えは最高に格好よかったけど。スイッチポンで何かが起動するのかと思いきや!シビれた。

もっとウィンターソルジャーの続きが見たかったんだよー!という心の叫びがあるのです。もう少し一方的な描き方をされていたらどうだったのかなー…そしたら次につなげるのが難しいのか…。

スタークのトラウマのこととかなかったら、ラストのバトルにも繋がらないから描かなくてはならないんだろうけど…。わかってるけど、物足りない。ティッシュひと箱分泣きたかった。コミックと同じ筋で、インフィニティウォーにつながる…てゆーとあれか…(←あらすじしか知らないくせに)みたいなことを考えて、勝手に泣いていた日々が懐かしい(バカすぎる)

そしてエンドクレジット後の(エンドクレジットもWSのほうが好き)コールドスリープに入るバッキーが真っ白で、心を入れ替えました感がすごい。コールドスリープに入ったら、どんどん年齢差が広がってしまうよね…ちょいちょい目が覚めてたから今はバッキーのほうが年上なのかもな…。

スタークはさっさと解析して左腕を作ってくださいね。でもあのメタル感は好きなのでそのままでお願いします。中の人は大変だけど、次作でも潤滑剤使ってください笑。

Your Left Hand is Freeが二回流れるのは、単にそういう契約(全コーラス流さないなら使わせない)なんだとは思うんですけど、左というだけで意味深ですよね。と思いきや、これはスパイダーマンのところでかかったことを忘れてはなりません。そして、この曲は君の左手の指には指輪がないね、でも右の手は男の手に繋がれてる。だけど気をつけて、その男の右手は銃に手を伸ばしてる…というようなリリックだそうです。でもスパイダーマンにはあんまり関係ないよねえ…なんでこの曲だったのか…。全体的に今回音楽が謎。

スパイダーマン ホームカミング楽しみですね!特にきれい(ありえないほど魅力的な)なメイおばさんが!ダウニーとマリサ トメイは同世代だね。いい感じのきれいさ(というか、セクシーさ。最後の「タフガイ♥」てとこすごくいい。イケてるおばさんて感じ)です。


2016/4/28 TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 IMAX3D J列
2016/4/29 109シネマズ木場 スクリーン2 IMAX3D L列
2016/4/30 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン8 3D G列
2016/5/1 109シネマズ木場 スクリーン2 IMAX3D M列
2016/5/2 109シネマズ木場 スクリーン2 IMAX3D L列
2016/5/4 新宿ピカデリー スクリーン1 2D J列
2016/5/8 109シネマズ木場 IMAX3D L列
2016/5/14 109シネマズ木場 IMAX3D L列
2016/5/21 ユナイテッドシネマ豊洲 2D スクリーン2 D列
2016/5/29 TOHOシネマズ新宿 IMAX3D スクリーン10 F列(足元楽だけどちょっと近いから疲れる)
2016/6/1. TOHOシネマズ新宿 2D スクリーン11 F列

パンフレットは関連作を知るのによし、グッズの通販によしです(多すぎ)820円 

ズートピア

Zootopia(2016 Byron HowardRich Moore)(ディズニー 2016年4月23日)

http://www.imdb.com/title/tt2948356/

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なんだか、大人が見てもいい感じだよというTwitterのTLを見てるうちに、いや、これは見ておくか、劇場で…。と思って見てきました。

安く観られる日に観てよかったです。テンション低めでお送りします。


肉食獣と草食獣はかつて捕食する側とされる側でしたが、1000年(だっけ?)かけて、共存する社会に変えてきました。今では、ズートピアという都会では肉食獣も草食獣もなりたいものになれるらしいですよ!という世界だそうです。今のアメリカの縮図がズートピアだという、まあ、ディズニーの啓蒙映画の一つです。でもそうは言っても、啓蒙っぽすぎた。

うさぎのジュディが夢を叶えて警官になるも、挫折をしそうになり、でもある事件をきっかけにそれを乗り越えていくっていう話です(ざっくりしすぎ)

ポイントポイントで面白いんです。ナマケモノのフラッシュ(この名前!)(と最後のシーン!)とか、受付のヒョウのクロウハウザーのキャラとか(ちょっとおかまちゃんぽい)、オオカミの遠吠えとか、声出して笑ったわ。

あと思いっきりのゴッドファザーのオマージュっていうかパロディとか…。

そういう面白さはあるんだけど、なんだかどうも乗り切れなくて…。

キツネのニックがまるでニール キャフリーだとか、じゃあ、その相棒のフェネックはモジーなのか…とか。とかとか。どう見てもフェネックなのになんで気がつかないのかな…。

そもそもジュディみたいな子のことあんまり好きじゃないし、共感全くできないタイプだっていうのが俺的に無理ゲーだったのかもしれないしな。隣に座ってた白うさぎみたいな女の子は中盤からずっと泣いてたわ。

ワンシーンワンシーンは面白いんだけど、全体のトーンがどうしても説教くさくてなあ…うっすら啓蒙というよりは、直接的に説教されてる感なんだよなあ…。


2016/05/02 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7 TCX K列(後ろすぎた)

Ex Machina

エクスマキナEx Mahcina(2015 Alex Garland)(パルコ 2016年6月11日)

http://www.imdb.com/title/tt0470752/

ずっと観たいと思っているのに、なかなか日本公開が決まらず、えーいっと米盤を購入したら日本公開が決まりました。がーん。

アレックス ガーランドは、ザ ビーチを読んでいて、脚本だとサンシャイン2057と私を離さないでを観たことがあった(ことを知った調べて)アレックス ガーランドのイメージは前半と後半で作品のイメージをガラッと変えてくるっていうイメージ。28日後は見ていません。なんとなくダニーボイルと仲良しな人というイメージ。


ブルーブック(Facebookかなー)で働くケイレブ(ドーナル グリーソン)がなんかで当選して(その辺りわかりにくい)世界的に有名なプログラマーで、ブルーブック社長のネイサン(オスカー アイザック)の別荘に招待される。人里離れた別荘(アイスランド?)にヘリコプターで連れてこられて、AIをテストしてほしいって言われる。

この別荘が本当に美しくて、建築としても素敵で、そこにラボみたいなのがあってネイサンが研究しているんだけど、このネイサンがですね、非常に変な感じなんですよ。もう、いかにも怪しいというか。狂人スレスレの天才っていうか。

メイドのようにして働いているのは日系の痩せた女の子なんですけど、その扱いもなんか、できの悪い猫を叱るみたいな感じなんですけど、もしかして、この人ロボ?って、ちょっと最初から疑ってみてました。

まさか、ネイサンもロボっていうオチじゃないよね…って思ったけどそれはなかった。

自宅の居室にジャクソン ポロックを飾ってあるとか、金持ち感…。

ネイサンが坊主頭にもりもりのヒゲっていう、謎の髪型なんですけど、しかもなんがてっぺんの部分が白いのか薄いのかわからないけど、模様になっていてすごく気になってしまった。どうでもいいところなのに。テンプレ的にすごく傲慢な感じなんですよね、そのイヤーな感じがよく出てて、この人色んなことできるなあ…って思いましたよ。

ケイレブがテストするのがエヴァという個体なんですけど、これの造形がまたいい感じでして、透明で中の機械が見えるようになっている部分と覆われている部分がある。ケイレブに会うたびに人間ぽさがどんどん出てきて、可愛い服とか着るようになるんですね。ケイレブはちょっと好きになるのかな…。そのケイレブの心の動きみたいなのがね、ちょっとテンプレっぽいっていえばテンプレっぽい。でも、テンプレっぽさを求めているので問題なし。

アリシア ヴィキャンダーって、あんまりロボっぽさがないからどうなんだろうな…と思ってたけど、逆にロボっぽくない方が説得力がある役どころだったからこれでよかったのかな。この人は健康的なのにわりと色んな役が付くなあ…ってちょっと不思議です。

途中で謎のダンスシーンとかあったり、食事シーンの寿司とか、なんだかシュールなところもある。

基本的には密室劇で、主に出てくるのも4人だけ。SF映画と聞いて想像する広がりのある感じとかはありません。宇宙でもないし、アクションもないに等しい。

大傑作かっていうと、うーんっていう感じなので、だからなかなか配給が決まらなかったのかな…。でも、私はAIものとか大好物なので好きです。ビジュアル的にすごくできがいいですしね。全員上手いし。ソノヤ ミズノさんていう人は日系のイギリス人で、もともとダンサーなんだそうです。この人の見た感じもすごいいいですね。


2016/4/10 米盤Blu ray

レヴェナント

The Revenant(2015 Alejandro G. Iñárritu)(20世紀フォックス映画 2016年4月22日)

http://www.imdb.com/title/tt1663202/

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もう、だいぶ前に観たのに全然感想書いてなかったので、頭に残っているうちに書かねば…という感じで書いております。

ディカプリオがやっとオスカーを獲ったということで、ディカプの演技がイマイチ好きじゃないんだけどなーと思いながら観ました。まあ、やっぱりあんまり好きじゃあないようです。


監督は、アレハンドロ G イニャリトゥ、撮影監督はエマニュエル ルベツキ、音楽は坂本龍一です。字幕翻訳は松浦美奈。


南北戦争よりも前、ヨーロッパから一攫千金でやってきた人たちが、ネイティブアメリカン(彼らは彼らでもともと部族間の争いもあった)たちを蹴散らして動物を狩り、皮だけを剥いで商売にしているようです。

とにかく何の説明もなく、いきなり森の中に連れてこられて、状況を把握しようと思った矢先にドンパチが始まって、何もわからないうちに人は死ぬわ、雪は降ってくるわ…。とにかく気が抜けません。

ネイティブアメリカンの女性との間に息子がいるヒュー グラス(レオナルド ディカプリオ)が道案内を務めている。隊長のヘンリー(隊長と言っているけど、軍隊と関係あるのかどうか分からず…調べたり原作当たったりはしてないんだけど、したほうがいいのか…分からない、それほど作品に愛がなく…)(ドーナル グリーソン)とハンターのフィッツジェラルド(トム ハーディ)があんまり仲良くないのはわかった。フィッツジェラルドは自己中心的な人としてしか描かれない。

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と思ったら、グラスが熊に襲われます。ここ、こんなに尺いる?っていうくらいしつこく襲われます。絶対死ぬだろ、でも主役だから死なないよね…っていう怪我をして、なんかもう、血でびしょびしょなところをそのまま裁縫上手なヘンリーに縫ってもらいます。

グラスが道を知っているからそのまま怪我をしたグラスを即席担架に乗せて運ぶんだけど…どうもなんか納得いかない。そんな瀕死の状態では道案内も何もないよね…。息子(ホーク:フォレスト グッドラック)かなー?って思ったら、息子も置いて行っちゃうし…。

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フィッツジェラルドは最初から悪そうなやつだけど、あれ、息子はうっかりというか、いきがかり上殺しちゃうけど、あ、やっちまった…っていう顔するし、だいたい全体的に悪ぶっているっていうか、実は小心者っていうかそういう感じなんだよね、そこが好感がもてるっていうか、こいつは心底悪くないな…って思ってると金を持ち逃げしたりする笑。うっかりの上塗りのように人を騙し、グラスを生き埋めにしたりと、まあ非道なんだけれども。まさかの頭の皮を剥がされても生きている百戦錬磨の男なんですよ(最初に三角巾取った時に、え?って思いました)(穴熊の帽子確認できず…かといってそのためにもう一回見るほどの元気もなく)

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ヘンリー隊長は基本的に小心者で真面目なんだけど、この人ほど心情で動いている人はいないのかな…っていう気もした。とくに、ブリッジャー(ウィル ポールター)に対しての暴力とかが、それまで思っていたよわっちくて、こういう殺伐としているところに向いていない、文系の軍人というイメージが崩れた。

グラスは息子を殺された復讐のために、ありえないスーパーパワーで回復していくんだけど(どうやら原作=現実では、あの復讐までに1年くらい養生しているようだけど)ほんとに死なない。あまり死ななすぎて夢オチなんじゃないか…と途中で思ったくらい。途中で死んだ嫁が出てくるしね。

とにかく、寒くて、痛くて、辛くて、食べ物がなくて、生肉を食い、生魚を食い、冷たい川に流され、暖をとるために死んだ馬の中に入り、折角仲良くなった人を括られ、踏んだり蹴ったりなのです。全然休まる瞬間がない。

休まらなすぎて、観た後はぐったりした。

なんか、全編通して、レオ様できるかなチャレンジ!みたいに思えてきて、ちょっと冷めてしまったところもあったなあ…これでアカデミー賞だなんてなんかなあ…これだったら、ウルフ オブ ウォールストリートで獲らせてあげたかったわ。というか、ギルバートグレイプであげておくべきだったと思うし。

これは、個人の偏見に基づく個人の感想ですけど、レオ様って特別演技が上手いっていうことはないような気がするんですよねー…。実際に演技というところだと、トム ハーディやドーナル グリーソンやウィル ボールターの方が自然だし、感情が伝わってきたんだよなあ…。とくにウィルは良かった。この作品の中でちょっとだけでもホッと出来る部分だったし、唯一の良心というか…。それをうまく演っていたと思うのよ。

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いろんなところで宗教色が強かったって言ってるのを目にしたんだけど、私はそんなに感じなかったなあ…神という意味での宗教色はあったのかもしれないけど、それよりは生死感じゃないのかな?彼方と此方というか。

あの鐘の音が鳴らない、教会の廃墟はよかったなあ…あれは宗教観とは違う気がするけど。あれをそうというならそうなのかも、夢だけど。

自然の音に干渉しない坂本の音楽もよかったと思う。手癖じゃない音楽だったと思うし…(今はもう手癖ばっかりの音楽はやっていないのかもだけど、一時は

ルベツキの映像は美しかったのだけれど、わざとだと思われるレンズの存在。レンズにかかる息とそれで曇るレンズ。異様なほどの広角レンズ。ルベツキの撮影ってなんていうかすごくチャレンジングなところで評価されているんだと思うんだけど、これはチャレンジングすぎなんじゃないのかなーと。ラストシーンなんて、あれは第四の壁というか第五の壁を越えてきた(四次元的なという意味で=あの世と繋がった感)。

というところで考えると、アカデミー賞ってチャレンジしていないと評価されないのかなーって思いました。個人的には、ボーダーラインのディーキンスの方が好きですねえ…。


2016/4/20 109シネマズ木場 IMAX L列

Youth

Youth

グランドフィナーレ(2015年 Paolo Sorrentino)(ギャガ 2016年4月16日)

http://www.imdb.com/title/tt3312830/

若さとはなんなのか、老いとはなんなのか。グランドフィナーレは言い過ぎじゃないかな…邦題よ。若さのいい感じの言い回しを見つけて邦題にしてほしかったな…。

とにかく、シュールすぎてすごく大好物なんだけど、ざっと感想などをググってみたけどそこに触れている人がいなくて、感動作!みたいなのばっかりなんだけど、俺の見方がおかしいのか…。


美しいスイスのリゾートホテル。毎晩光って回る舞台の上で繰り広げられる歌やパントマイム。古い友人同士の老いた男性が二人。

一人は有名な曲「シンプルソング」を作曲したフレッド。そのフレッドの元に女王陛下の使いの人がやってきて、女王の前でオーケストラの指揮をしてほしいと頼みます。フレッドはむげに断り、それを見ていたハリウッド俳優のジミーはニヤリとします。

もう一人は映画監督のミック。若いチームを率いて自分の遺言となる作品を撮ろうとしている。ラストシーンがまだ決まらない。

美しいスイスの風景、リゾートホテルで逗留する老いたお金持ちっぽい人々、ベルとともにやってくる従業員たち。なんとなく気だるく。

フレッドをマッサージする若い女性。歯列矯正。オフの日はダンスのゲーム。その姿が、何度もなんどもリフレインする。

旅行に行ったはずのフレッドの娘が、ホテルにやってくる、夫に離婚を告げられたからだという。夫は、ミックの息子。

仲良し

かつてこの人がへなちょこでなかったところを見たことなかった…。シュールな役どころなんだけどね…。すごく二枚目に撮られてる。

いちいち映像が絵画のように美しかったり、ミュージックビデオのようなスローモーションだったり、本当にミュージックビデオだったり。牛が指揮に従ったり、鳩時計が音楽を奏でたり。超絶長ゼリフだったり、あの人があの人に扮したり。あの神の手の人があんなことしたりあのカット長くてびっくりしたよ。その前の「左利き」宣言は声が出そうなほど笑った。ミスユニバースのど迫力バディ。あと、妻。妻、ラストシーンずるいだろ。あと、この人↓

映像としてものすごく好みだったんですよ。ツボを突かれた。パントマイマーのシャボン玉とか。たまらない。妻は怖かったけど。

おそらく、ストーリーだけを追っていると感動作なのかもしれないけど、本当にここで感動していいのだろうか…なにかのサーカズムとかが隠れていないだろうか…。これは何のオマージュなんだ!などと考えてしまいましてね。

Sun Kil Moonの弾き語りとか見れちゃっていいんですよね。音楽がね。牛のベルもね。

パオロ ソレンティーノて現代のフェリーニって言われている人なんですね…何も知らずに見てしまったけど、その感じはつかめてたのでよかったです。


2016/04/16 バルト9 シアター5 G列(ちょうどいい感じだった。スクリーンも満足サイズ)

Spotlight

Spotlight

スポットライト 世紀のスクープ(2015 Tom McCarthy)(ロングライド 2016年4月15日)

http://www.imdb.com/title/tt1895587/

アカデミー賞作品賞と脚本賞を獲ったことで、日本でも公開されたし、大きいスクリーンにかかったのは良かったと思います。なかなか日本人になじみのない題材ですしね。

キリスト教の知識とか必要かな?と思ったけどそうでもなかったです。

むしろ、新聞というものが日本とはちょっと違うのかなーという気もしました。いや、日本もそうなんだろうけど(そうであって欲しい)


ボストンの新聞社ボストングローブの局長が交代になります、新しい局長マーティ バロン(リーヴ シュライバー)の指示のもとで、カトリック教会の神父たちによる子供達への虐待の取材をすることになる。担当するのは、一つの題材を深く掘り下げた記事を書く部署であるスポットライトのチーム。チーフのウォルター(マイケル キートン)をはじめとするチームが取材を重ねていくと驚くべき事実にあたった…。

ただただ、粛々と取材を進める姿を描き続けるんですね。たまにマイク(マーク ラファロ)が怒っているけど。それぞれの立場で、それぞれのできることを粛々と進めるんです。粛々という言葉がぴったりくる。粛々すぎてほとんど山がない。あるとしたら、マイクが怒るところとか。

怒りすぎると緑になっちゃうからね(関係ない)

取材の合間にチームや編集のチーフであるベン(ジョン スラッテリー)と、編集方針とかについて話し合ったりするところはあるんだけど、とにかく取材している姿を延々とやる。困難があっても、なんとか越えていく、コネとか熱心さとかそういうので。

なんていうか、崇高なものを見たな…っていう気がした。実際に悪いことをしているのでは?という人も実はこんなところで善い人であった…というような側面があってなんともいえない気分にさせられたりします。

あと、法律とかわかんなくて置いてかれるところもあった…ははは。

リーヴ シュライバーがちょっといわくつきの役どころだったのだけど、思っていたよりハマってたなあ(そういえばこの間チェスプレイヤーにもなってたか)

特にエンドロール前に、実際に見つかったカトリック教会の腐敗の事実を突きつけるテロップが出た時は、こみ上げてくるものがあったなあ…。

このアカデミー賞受賞は、なんていうか、映画に対してもあるだろうけど、ボストングローブに対してでもあるんだろうなあ…という気がした。

たいへん地味な作品なので、じっくり見るといいと思います。


2016/04/15 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7 J列