フィクサー

Fixseur(The Fixer)

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2016年 Adrian Sitaru(エイドリアン シタル)
第29回東京国際映画祭

http://www.imdb.com/title/tt4950192/


東京国際映画祭で見ました。初めてQ&Aのある映画を観たのだけど、監督の話を聞くのはいいですね。オーディオコメンタリーとかも好きだから、製作側の話ならね。

まあ、観ようと思った動機とかかなり不純ですけどね。ルーマニアの映画(フランスと共同)だったからですね。


ルーマニアのジャーナリスト見習いのラドゥ(トドル アロン イストドル)の仕事と私生活。

ルーマニアの田舎の子がフランスで売春をしていたというネタにまつわるジャーナリズムとは、みたいなことと、それに関わるジャーナリスト見習いの何でも屋のラドゥの私生活が並行気味に描かれている。新しい?子持ちの彼女が大好きで、その子供マティともうまくやっていこうと思っているけど、自分の信条と現実の狭間でいろいろ揺れまくる。

ラドゥはジャーナリストになるには繊細すぎるのかもしれない。むしろ売春していて強制送還されたアンカ(ディアーナ スパレティスク)の方が全然さっぱりしたものだ。教会(尼さん怖い)とギャングが結託しているような田舎町。ヤンキーと年寄りしかいないんじゃないかっていうところで育ってるアンカは結構図太い。図太くならざるを得ないのだろうけど。というか、基本あんまり人生に興味ないというか、そういう感じ。お姉ちゃんもどう見てもヤンキーだし、なんか未来のない感じだよなあ。

取材先で夕ご飯食べるところで、ジャーナリストっていってもまあ俗物だなー、このギャップというか、いってることとやってることが若干矛盾しているというか、なんていうか、大人って汚いな(俺も十分大人だけどさ)って思ったわけですよ。「口でする?」って言われて過剰に反応するよ過剰に反応するような繊細に見えるラドゥだって、タブレットで彼女とフェイスタイムしながら「あそこ見せて」とか言ってるしさ、なんつーか、まあ、全体的に相違まあ、全体的にそういう二面性みたいなものも多かったですね。だいたい、教会と売春だもんな…。

最初と最後にプールのシーンがあって、ここの写し方がとてもいい感じだった。天井から下がっている三角の旗とか、プールのこだまするような音とか。ラドゥと子供は、速く泳いで勝つことに対して、意見が対立しているわけなんだけど、それが最後にちょっと分かり合えた感じになるところもいいな。ラドゥはこの取材を通して、成長したんだよなあって思った。
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http://www.jaredmobarak.com/2016/09/04/the-fixer/

なにかの結論を見出すような作品とも違うし、問題を投げかけるだけで終わっているけど、これはこれでいいんじゃないかな。監督も投げかけることに意味があるようなこと言ってたし。ジャーナリストとして報道することが誰かを虐待するようなことになっていないか、一方的なものの見方を強要していないか、ということ。


2016/10/31 第29回東京国際映画祭 TOHOシネマズ六本木 スクリーン9 D列(スクリーン9は内装古いのね)