美しい絵の崩壊

Adore(2013 Anne Fontaine)(トランスフォーマー 2014年5月31日)

http://www.imdb.com/title/tt2103267/

リル(ナオミ ワッツ)とロズ(ロビン ライト)二人の美しい娘が美しい母になり、美しい息子たちを育てて、交換こする話です。これは見る人によって全然違う感想を持ちそうだ。

子が居らぬので、母の気持ちはわからないけど、年齢的には母の年齢なので、母たちに感情移入できるかと思いきや、全くできない。

感情移入してみてたのは、イアン(ゼイヴィア サミュエル)かな…。この子だけはずっと感情に正直で、それゆえに融通が利かないところがあるからか(ようするにとても不器用、だけど美しい)

これは、中年女性のおとぎ話なのだ。だから、二人の名前は短くて、特徴があるようでなく、二人の子供の名前も短く、二人は人里離れた海岸に住んでいて現実味の薄い仕事(建築事務所?デザインオフィス?ギャラリー?どれにしてもおしゃれ仕事で、都心でなければできなそうなのに…)

法的にはNGじゃないだろうけど、モラル的にはグレー。

画的には、ロズとイアンの二人の姿は美しく、なぜか、リルとトム(ジェイムス フレッシュヴィル)の姿はあまり美しくない。意図しているのかたまたまなのかわからないけど、ロズ自体が美しいのです。どちらかといえば、ロズはまだ自発的に動いていて、リルは流されている感じがあるからかな…。イアンの人がすごく演技上手いのも関係あるのかな…。最初から目線だけでこの人ロズのこと好きよねえ…って分かる感じだった。リルは取り乱すしな…。

ハロルドが簡単に?簡単でもないか…別れてくれてさらにさっさと再婚して子供作ってくれるところとかも、ファンタジーだよなあ…。

全てが都合よく行って、さらに、嫁たちも厄介払いできるし、一生この海辺でキラキラしたまま4人で生きていくの…めでたし…みたいな感じですか…。

http://sprinklesontoast.tumblr.com/post/62685836531/robin-wright-adore-requested-by-anonymous


2016/02/28 WOWOW録画

ヘイトフル エイト

The Hateful Eight

(2015 Quentin Tarantino)(ギャガ 2016年2月27日)

http://www.imdb.com/title/tt3460252/

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うしろ姿が云々っていうやつですよね…。そんなこと言ってるとどのポスターも同じ構成になってしまうよね。ポスターはアートではないのかっつー話ですよね。難しいね。

さて、わたくし、あんまりタランティーノが好きとは言えません。そんなに見ていないし、見て好きだったなってことがそんなにない。パルプ フィクション、ジャッキー ブラウン、キルビル、ジャンゴ…そんなもんかな…。常に血なまぐさいなーっていう感想です。

しかしながら、なんだか評判がいいので(いつもそうか)見に行きました。エグいと言われていたので十分に覚悟を決めて。

見てから読むこと推奨です。


時代は南北戦争の直後あたり、元北軍で賞金稼ぎのウォーレン少佐(サミュエル L ジャクソン)が物語の中心で、雪嵐が襲ったワイオミングの「ミニーの店」で繰り広げられる密室劇です。

ウォーレン少佐が雪の中で止めたO.B.(ジェームス パークス)の駅馬車に乗っていたのが賞金稼ぎのジョン ルース(カート ラッセル)とお尋ね者のデイジー ドルメグ(ジェニファー ジェイソン リー)。ルースとウォーレンは旧知の仲で、最初は嫌がられるも嵐をやり過ごすための「ミニーの洋品店」まで乗せてもらうことになる。しばらく行ったところで、駅馬車に走ってくる男がいた。これまた南軍の有名人の息子のクリス マニックス(ウォルトン ゴギングス)、目的地であるレッド ロックの新しい保安官だと言い、同乗する。

その間にやり取りされる「リンカーンの手紙」のくだりはリフレインするので重要と思われ…というか、これテーマ?と思いましたよ。駅馬車の6頭だてのうち1頭だけが白馬とかもなんか言いたげ。

誰もが疑い深く、誰もが嘘をついているかのよう。

ミニーの店に着くと、ミニーに店を頼まれたと名乗るメキシコ人のボブ(デミアン ビチル)が迎える。怪しいひげ面である。そして、ドアは壊れていて、閉めておくために木切れを打ち付けなくてはならない始末。

中にいたのは3人の男。一人は絞首刑の執行人だというオズワルド モウブレイ(ティム ロス)、名刺を出してみせるが回収している(怪しい)。もう一人は無口なおじいちゃんサンディ スミザーズ将軍(ブルース ダーン=ネブラスカ可愛かった)といかにもカウボーイな感じのジョー ゲージ(マイケル マドセン)どいつもこいつも信用ならない感じ。

前半はこいつらがおしゃべりしたり身の上語ったり、シチュー食べたりコーヒー飲んだりしているだけです。遅々として話進まない笑。

誰かがコーヒーに毒を入れたあたりから、つまり、ウォーレンがスミザーズ将軍に、ひどい事実を告げるあたりから展開していくのだけれど…。

という感じです。みなまで言うまい。

ジェニファー ジェイソン リーは、誰もが褒めて評価しているので、もういいかっていう気もするけれども、振り切ってるところはすごいなあ…と思います。それ以上でもそれ以下でもないような気もしないことはないけど…。そこまで内面を…っていう

大体の場合、映画を観るときは前情報はなるべく入れないようにしているので、今回もチャニング テイタムがでているのは知らず、ただ、オープニングロールでアーンド チャニング テイタムって出て、あやうく声が出るところでした。「え?」って。で、いつ出るんだろう…ってソワソワしながら見てました。

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しかしながら、シスコンか!っていうね。ま、いいんですけどね。可愛かったしね。前歯とフランス語笑。

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サミュエル L ジャクソン、帽子かぶってコート着てマフラーしてる姿が非常に良いね。立ち姿のバランスとか。が、帽子取った途端のウケ狙いなのかぐらいのうすらハゲ頭。

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あとは、クリス マニックスのウォルトン ゴギンズ、なんか見たことある見たことあるんだよ…と思いながら見てたんだけど、エージェント ウルトラのラファーだったよ。なかなかにしていい役どころだったし、うまかった気がします。内面写し出してた気がするのよね。

しかし、いつもタランティーノの映画を観ると思うんだけど、頭吹っ飛ぶし、血がドバドバ出るよね。一箇所なんて音が出る前に血が吹き出てたような気がするんだけど?

あと、これの話。ウケた。美術館収蔵の名作ギター本物を叩き壊しちゃった件。その前のジェニファー ジェイソン リーのギターがすごくうまかったんだけどもともと弾ける人なのかしら…。

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ウォーレン少佐が、スミザーズをいじめるところの息子の話のところ、無駄なぼかしがでなかったのはR18+指定だったからなんですか…知らなかった。R18+だと知らずに見ていたよ…なので、あれって思いましたね。いいんだ。みたいな…。

誰も信用ならない…というところからの、最後に意外な人が信用できたね。っていうところでちょっとグッときた。ラストシーンは血みどろだけどグッときた。

でも、やっぱり、もう一回わかんないとこ見よう!っていう気にならないので、タランティーノは苦手なんだと思います。

エンニオ モリコーネのサウンドトラックは非常に不気味な感じでした。

http://lucilleshrpe.tumblr.com/post/137996867047/the-hateful-eight-2015-dir-quentin-tarantino

http://yeahmcavoys.tumblr.com/post/137891651451/the-hateful-eight-2015


2016/02/27 新宿ピカデリー スクリーン1 I列

パンフレット880円 世界観がバッチリ表現されてて、タランティーノ初心者にも優しい解説付きだし、ちょっとだけ高いけど買って損なしと思われます。思い紙使ってるし。

キャロル

Carol(2015 Todd Haynes)(ファントム・フィルム 2016年2月11日)

http://www.imdb.com/title/tt2402927/

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私は真ん中のやつが好きですね。日本はアカデミー賞とか、うるさいです。

スーパー16ミリで撮影した印象的な画質。撮影監督はエドワード ラックマン。改めて調べたら乙女っぽい映像はこの人の手によるものが結構あった。(※最近は映像監督について調べるブームが来ているので、これからは積極的に書いていこうと思っているよ)

全体的にうっすら紗がかかっているような、窓越しだったり鏡ごしだったりする映像が、なんとなく、現実というよりは夢物語っぽい。

ピアノ四重奏みたいな、チェロと切ない旋律のピアノがグッとくる気分をさらに盛り上げる音楽の担当はカーター バーウェル(音楽も気になったら書いていくことにしますです。はい、あんまり音楽が頭に残らない性分なので、残るんだったらよっぽど好きか嫌いかなので)

『太陽がいっぱい』の原作者、パトリシア ハイスミスの原作(最初のリリースは偽名での発表だそうです。時代ですかね)の映画化です。原作は読んでいません。多分、読まないんじゃないかな…映画で満足しているし。

しかし、鑑賞中にタバコが吸いたくて仕方なくなるのは困りました笑。いい意味で。いいじゃない、たばこ。もしも昭和な劇場だったら、そこかしこで喫煙開始してると思います。吸わないひとは嫌なんだろうけど、そんなん知るか笑

最初のシーンと後半のシーンがリフレインする形でそこで視点が変わるのもなんとなくいいです。

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デパート勤めのテレーズ(ルーニー マーラ)には、一応カレ氏がいるんですけど、そんなに夢中ではないみたいで、彼の方の空回り。いつもはぐらかされてばっかり。そんなテレーズが売り場で目を奪われたのは大人の女性。品があって金持ちそうで美人。テレーズの視線に気がついていたのかいないのか(多分いた=すごいコマシだと思います)いったん消えて、そしてカウンターにいるテレーズに話しかけてきます。

まあ、その話しかけ方もほんとうになんていうか、コマシなんですよね。4歳の時に何が欲しかったか?なんて聞き方…。うっとりしてしまうね。

そして、多分、わざと(もしかしたら離婚協議のことで頭がいっぱいでほんとうに忘れたのかもだけど)手袋を残していきます。シンデレラか。それを自分で送ってあげるテレーズ。テレーズもこれでもしかしたら繋がり持てるかも…っていう期待はあると思うんです。だって、百貨店だもの本当は個人的にやり取りしたらいかんでしょう?

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それをきっかけとして、キャロル(ケイト ブランシェット)とテレーズはカフェでランチをするんですけど、このときのキャロルの男前な感じがたまらないですね。大人の女ってい感じを精一杯出し切ってテレーズを誘惑しているようにしか見えません。ものすごいタラシ。

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でも、そんな余裕のあるところを見せているけれども、夫のハージ(カイル チャンドラー)(この人なんか好きなんですよねー安定の二枚目みたいな顔で、今時っぽくないところが好き。ちょっと若い頃のアレック ボールドウィン彷彿とさす)との間の子供リンディ(子役は双子だったのか…!)にベタベタで、ハージからは旧友のアビー(サラ ポールソン)との間のことを同性愛であると疑われ(まあ、真実なんですけれども)それをネタに養育権を渡さない=結婚をご破算にしたくないという争いをしているわけで、そんなに男前でも余裕があるわけでもないんですよね。そんな男っぽい(いろんな意味で)キャロルとそれに憧れてしまう(いいところしか見てないしさ)テレーズ。

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テレーズは何事にも自信がなくて引っ込み思案ででも、なんとなく普通とは違う(お嫁さんに憧れるような女の子ではない)(周りには男の子の友達が多い)ところがあって、非凡な感じは最初から少しするんだけど、周りの人たちはそうでもないんだよね…ニューヨークタイムズでバイトしてる男の子だって、まるでテレーズの写真に興味あるようなそぶりだけど、全然そうじゃないし。そもそもまだ50年代は女の子が自立するとかアメリカでもそうそうないことだったんだなあ。

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キャロルの誘いで(高価なカメラまで買ってもらったし)(もう、こういうところがなんか、女の人というより発想が男っぽい)(キャロル的には「むしゃくしゃしてやった、後悔はしていない」みたいな調子だけど)一緒に旅に出る二人。

肉体的に二人が触れ合うのは旅に出てからしばらく時間がかかりますし、その後で転換があるので、「アデル ブルーは熱い色」のような突っ込んだ同性愛描写もなく全体的に乙女っぽいところが好みではあります。

途中で邪魔に入る探偵みたいなひとが最初の接触が調子良すぎてこれはなんかあるな…と思ったけど、すごい装備でちょっとウケた。

しかし、そこであんなに何かの決心を感じさせる小物であった銃が未装填だったとか、キャロルのダメさ(のようなもの)(覚悟の足りなさとか?)を表現していたように思う。全体的になんていうか、ダメな男の写し鏡みたいになっているような気がしてた。

私が迂闊にも落涙したのはテレーズが「ノーなんて言えない、だって、私は何が欲しいのかわかっていないのだもの、何が欲しいかわかっていなければイエスかノーかなんて言えない!」(多分、実際のセリフは違うと思うけど)って逆ギレ?するところです。テレーズはそれまで割とぼんやり生きてきていて、なんとなく写真も好きだけどーだからって仕事にしたいとかでもないしー、いつか私もお嫁に行かないとなのかなー、めんどいなーみたいな人だったと思うんですけど、ここをきっかけにテレーズが自覚して生きるようになっていくと全部のストーリーががらっと趣を変えるんですよね。男前に見えていたキャロルが実はものすごくいろんなことに悩んでいるし、弱みがありまくりだし、というか実際精神的には弱いほうだし、義実家とかめんどくさい、だし…。

だから、ラストで再開した後の展開はきっと全く形が違う方向になっていくんだろうなあ…と思いました。テレーズはすでにニューヨークタイムズで働いているわけですし、キャロルはきっと働いたことなどないお嬢様育ちだろうし(知らんけど)

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ケイト ブランシェットは典型的な美人タイプのルックスですけど、ルーニー マーラはすごく個性的な美人というか、美人なのかどうかよくわからないけど綺麗みたいな人なところが、キャスティングすげーうまいなと思いました。ここでテレーズがいわゆるバービー人形みたいな綺麗さの女の子だったら魅力半減だと思うから。衣装のかんじも特徴的でした。ニューヨークタイムズで働くようになった時のキリッとしたテレーズのファッションも、その前のちょっと野暮ったすぎるくらいのファッションも、キャロルの毛皮とか、タイトスカートとか。

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それから、アビーの出し方が大変的確だったように思います。このひとはもともとキャロルとは仲が良くて、多分この人のほうがもともと同性愛者だったのかな…という気がしました。なんとなく、ファッションとかもキャロルの上っ面な感じよりも男前だし。包容力っていうものがありそう。

テレーズがもう一度キャロルに会うかどうかっていう、1シーン前のパーティーのシーンで、確実に同性愛者っぽい女の子(映像の感じからするに、前にそういうバーで女の人たちがテレーズを見てきた視線に似てた)がテレーズに声をかけてくることでテレーズが決心するようなんだけれども、なんでこのときのこの人のセリフがまるで男を取り合いする女の会話みたいなんだろうな…っていうのが気になった。絶対そういう感じでモーションかけてくるんだろう、この人が…って見てたら、あれ?そうでもないの?って思ったから。

「エデンより彼方に」は未見なんですが、見ようと思います。他のひとの感想やパンフレット読んでたら、見たほうがよさそう…と思った。


2016/2/14 TOHOシネマズ日本橋 F列

パンフレットは表紙が両方観音になっていて美しい写真がたくさんあり、物語を補完してくれるようなインタビューやプロダクションノートがあって良いです。紙も上質なマット紙てかんじ。800円。

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スティーブ・ジョブズ

Steve Jobs(2015 Danny Boyle)(東宝東和 2016年2月12日)

http://www.imdb.com/title/tt2080374/

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ほぼ同じなのに、煽り文句が惜しい感じ。

アップル信者歴が長いほど楽しめそうです。

信者以外の人だと、よく知らない人が多すぎで、説明もないしちょっとノっていけないんじゃないかと心配です。

スティーブ ジョブズ(ジョブズなのかジョブスなのか…俺は普段はジョブスって呼んでるよ、ここが参考になると思います)(なので、ここから先はジョブスで進めますね、すいませんね)(劇中でもすごく気になって聞いてたけど濁ってるのはウォズだけでした)の信者ではないですけど、アップルの信者なのですごく興味深かったです。Macワールドとか読んでたし。

ジョブス(マイケル ファスベンダー)の有名な発表会三つの開演前のバタバタだけをきっかり見せて、でもその中でジョブスがどんな人なのかをきちんと説明できてしまっているというミラクルな映画でした。ほとんど回想もなしでできててすごいなーって思いました。若干の回想シーンはあるよ。

まるで舞台劇のように台詞がものすごく多くて、たいていの場合みんな興奮状態でしゃべっているような感じになっていて、若干イラつくかもしれない。かといって説明口調(心情を説明するような、稚拙な、日本映画のような)はまったくなく、すごいなー、アーロン ソーキン。ソーキンのソーシャルネットワークも好きです。

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ジョブスとアシスタントのジョアンナ(ケイト ウィンスレット)(ジョブスはきっと裏切らない人は嫌いにならないんだと思う)、アンディ ハーツフェルド(マイケル スタールバーグ)(この人の存在はそんなに知らなかったのですすいません、やめても結構関わっているのね…今はグーグルにいるらしい)、ウォズニアック(セス ローゲン)(いつまでも過去にしがみついているプログラマーとしてしか書かれてなくてかわいそう…もっとユーモアのある人だよね、オケピでの二人の会話は好きです)、最初のCEOジョン スカリー(ジェフ ダニエルズ=最近偉い人の役多め)(ちょっとしたお父さんな立場になってて、実はすごく頼っていたのかもなー)とリサとその母親のクリスアンとの関係っていうふうにそれぞれジョブスはどんな人なのかというのを表すためにそれぞれの人との対応が描かれている。

あと、こだわりの非常口のライト。これの担当のアンディ(サラ スヌーク=プリデスティネーション)もずっとチームにいるんですよね。

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リサとジョブスの関係が特に際立って描写されているように感じられたんだけどそうでもないのかな…。ジョブスにとってのリサは子供としての普通の関係みたいなのは希薄だけど、リサに対する興味(好奇心的な)ものが特殊で、でも特殊ながらに深い愛であるというような書き方だったように思う。でも、リサが賢くなかったら好きじゃなかったかもしれないな…という気もする。本当のところはどうなのか知らんけど。ジョブスはリサに対してもあんまり子供扱いしないし、多分、子供の扱い方がまったくわかってないし、大人と同じような扱いをしている。そこにものすごくシンパシーを感じてしまうこともあって、グサグサときた。その原因が自分が里子に出されて、一回返品されているという過去にこだわりがあるせいだということになっていたけど、子供時代に受ける愛情の大きさとかネガティブな愛情とか絶対人生に陰を落とすよな…(いい方に転がる=反発力となるとよいのだよね)リサに恨みはないけれど、クリスアンのことは本当に嫌いなんだろうなーと思いましたよ。

リサとジョブスでいえばNeXTのときのリサがお父さんと一緒に暮らしたいっていってぎゅーってしてくるところでグッときた。あとは、最後のところでリサの持ってるウォークマンをダサいといい、もっとスマートに音楽を携帯できるようにする(iPodですね)ていうことろで思わず落涙した。

ジョブスって理想家ですよね。理想家であることが仕事になっている。

今ってジョブスみたいな人はいないんだなー…っていうね、最後の(成功した)ワンマンていう気がしました。

どのシーンだったか忘れたけど、アラン チューリングについて言及もありましたよね。ちょっとニヤっとしたんだけど、どこだったか忘れてしまった…

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あんなに本人に寄せてがんばったアシュトン カッチャーのスティーブ ジョブスは、実際本当に凡庸すぎてつまらなかったのだけど、今回のマイケル ファスベンダーはまったく、全くってことはないか…ほとんど寄せてないにもかかわらず、もうこの人ジョブスだねという感じになっていたのが不思議な感じでした。本当のジョブスの姿形を忘れてしまうくらいに。

ジョブスとジョアンナが口論しているときにNASAの開発の予算(なんの探査機か忘れた)の話が出たとき、壁にロケット打ち上げが映るところで度肝を抜かれて口をポカンとさせてしまった。ダニー ボイルのこういうとこいいな。すごくいいシーンだったともうのですよ。

オープニングロールで実はすでにグッときていて、アーサー C クラークがテープが回るコンピュータールームで、コンピューターは手のひらに乗るようになる、どこにいてもアクセスできるようになるっていってて、それが現実になっているよなー…って思ったのです。すごいことだな、すごい時代に生きているな…て思ったので。

感情がいたるところで爆発しまくっている映画だけど、この映画自体ではジョブスのことを批判することもなく、そしてただ持ち上げて伝説として崇めるだけにもなっておらず、全体的にはフラットで、いいところも悪いところも見せるということになっていて、映画としてすごくいいなと思いました。


2016/2/13 ユナイテッドシネマ 豊洲 スクリーン4 D列

パンフレットのデザインもシンプルで素敵です。日本語フォントの無力さは感じますけど。720円

オデッセイ

The Martian(2015 Ridley Scott)(20世紀フォックス 2016年2月5日)

http://www.imdb.com/title/tt3659388/

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ほとんど同じだね。言ってることがちょっと違うけど…。

GG賞でコメディ部門での受賞だったこと、サントラとは別にリリースされていたソングリストがほぼ、ディスコソング集だったこともあって、シリアスな感じではないんだろうな…とは思っていたけど、ちょうポジティブシンキング映画だった!想像していたのは、救出ミッションが苦難に襲われて…みたいなものだったので、いい意味で拍子抜けした。

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火星の天気予報見てます。

火星に来ているルイス船長(ジェシカ チャスティン)が率いる調査隊は6人、2人の軍人と4人の民間人です。荒涼とした赤い大地、軽いお喋りをしながら見本を採取しています。そこに大きな嵐が襲います。あまりに大きく母船に帰還するためのMAVが転倒する可能性があるために、任務は中止され、退避を始めますが、嵐の中でマーク ワトニー(マット デイモン)が死亡したとされます。ところが…。

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埋まっていました。

といったような感じで進んでいきますが、どっこい生きてたマークが、ちょうポジティブ、そりゃもちろん落ち込むことも、悪態をつくこともあるけれども、翌日にはアタマを使ってなんとかすることを考えられるという人で、観終わるとなんだか自分もポジティブになったような気がするから不思議です。

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次々に苦難が襲いかかるし、その度にマークも、地球のNASAのチームもJPLのチームも落胆したり諦めようとしたりするけれど、結局、誰一人ネガティヴな人や意地悪をする人がいなくて、なんかそれだけで胸が詰まる思いです。

ネタバレしていますので、鑑賞後に読んでください。気にしない人はどんどん読んでください。


まず、とにかく科学者だから解決策とか考えるときにどんどんアイデアが出てくる。これが出てこないような奴は宇宙に行けないんでしょう。

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火星探査機のパスファインダーをマークが見つけた時も、それを見てカプーア(キウェテル イジョフォー)がすぐに何しようとしているのか分かるし、JPLに行けば、スタッフが次に何すればいいか分かる、阿吽の呼吸みたいなのがもう何度も繰り返し出てきて、わーってなる。

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NASA長官のテディ(ジェフ ダニエルズ)も、ミッチ(ショーン ビーン)も、立場が上にあるだけに、なかなか迂闊なことはできないはずなのに、結局ワトニーを助けるためだけに国を動かすくらいのことをしてしまう。

もう、好きなシーンが満載。最初に失敗した後の水を作るところで、半透明シートに水滴がついてまるで雨が降っているようになってるとこ、ヨハンセン(ケイト マーラ)のPCをワトニーが漁ってるとこ、まさにオタク。船内での人の動きがヌルッとしてて、あれどうやって撮ったんだろう…って思う。あとで調べたけど。もちろん、クリストファー ベック(セバスチャン スタン)もかなり期待していたけど、あんなに出番があるとは思っておらず、どちらかというとザバイバルな(脱落戦のような意味で)状態で、最初に死ぬ人かと思ってたくらいなので、一人でワンシーンあるとは思わなかった(船外を移動するベック先生、初見の時は本当にドキドキしたよ。どうでもいいけど、クリスなんだね…)通信を許されて初めてメールするマルティネス(マイケル ペーニャ)が、貧乏クジ引いたとか、お前のこと嫌いだからとか、ニヤニヤしながら打ってるとことか…ダメだこのままじゃ全部言わなきゃならん。

ルイス船長の音楽の趣味が悪くてよかった笑。これで、船長がレディオヘッドとか好きだったら、全然違う映画になってたし笑(レディオヘッドに罪はない)R&Bやラップでも違うし。ちょうどいい塩梅でした。それをワトニーが、嫌がりながらも聞いてるし(何か聴きたくなる気持ちわかる)、あまっさえホットスタッフでは、リズムをとってたのがウケた。それ、十分ディスコですやん。これに助けられている感はあるんだけど、趣味が悪いで片付けられているので、微妙な気持ちでソングリストを聞いています。

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リッチー パーネル(ドナルド グローバー)がいかにも天才肌な感じで、出てきてすぐに気に入った。彼の計算なしには、ミッションは遂行されなかっただろうし。

それを説明する秘密会議のところ、ロードオブザリング見てればもっと面白かったんだろうなー。完全にアニー(クリステン ウィグ)と同じ立場になってしまった笑。何なのよって。

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補給船を一回失敗したときに、急に現れる中国の開発者、いつもの中国資本入ってるから中国の出番作りました的なものかと思いきや、もう、ここで、泣いてしまうくらいこの二人の会話が粋でね。ほんと感動した。まあ、結果として中国人が火星に行くことができるわけだけど。(原作からこのシーケンスはあるので、映画に資本が…とかは関係ないっぽい)

ヘルメスで帰還中だった5人が救助に向かうために533日の追加の任務を誰もが二つ返事でOKするんだけど、そこでのヨハンセンのセリフがいかにも回りくどくて、オタクな返事でますますよかった。この人を男の人にしたらステレオタイプすぎたから、ケイトみたいなちっちゃい女の子で良かった。(原作も元々ギークな女の子の設定です。念のため)(原作の方がもっとベック先生と仲良くしています)この人(ケイト)わりとそういう役がよく回ってくる気がする。

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最初からこの二人怪しいな…と思ってたベックとヨハンセン。船内二人きりの時の距離感とか、補給船キャッチの時の見つめ合い投げキスとか、爆弾取り付けの時の内緒のガラス越しのキスとかがあってこそのエンドロールが大変良かったです。あのシーン(エンドロールの)いつ出てくるんだろう…て思いながら見てた(たんぶらで結構出回ってたから)(絶対こんなのフラグに違いない…て思ってたし)

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これから危険なことをするベックに「気をつけて、宇宙では…」(宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない…なんだって…知ったのでもう一度ココ観たい笑)

マット デイモンて、マット デイモンらしさというよりは、完全にその役の人としてしか見れないのがすごいなって思って、あたかもワトニーが実在するかのような感覚でずっと見てたし…たまにこういうタイプの俳優さんいるよね…。すごいなって思う。だいたい俳優って、その人ありきで見てしまうことが多いから…。

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そんなに痩せただの何だの言ってるのは聞かなかったような気がするので、最後のシャワーして出てきた姿にすごくびっくりした。そのあともそれより痩せていくから、船外活動用の服がどんどんブカブカになっていくの。そういうのを決して声高に言わないけど、分からせる演出なんかも本当にすごいなって思いましたよ。痩せているし、肌もボロボロになってる。「こんなにぶかぶかになっちゃった」って一言いうだけで台無しだものね。

映像監督はエクソダス、プロメテウスや悪の法則でも一緒にやったDariusz Wolski、他の作品も見るとなんとなくイメージとして荒涼とした砂っぽいの多い気がします(ザ・ウォークもやってるけど…)

ほんとにいい作品なので、なんか1つでも多く賞を獲ってもらいたいです。

でもまあ、火星にどんどんいろんなものを送り込んで、どんどんいろんなものを置きっぱなしにしてるもんだよなあ…ってちょっとだけ思いました。無駄にならないように現実のNASAにも頑張ってもらいたいものです。

先に色々調べたい派の人はこのサイトもおすすめです。見たら、もう一回本編見たくなります。

https://www.youtube.com/channel/UCAHwvVPQZggKTgQlVF88rGw


2016/02/04 新宿ピカデリー スクリーン1 L列
2016/02/05 TOHOシネマズ 日本橋 スクリーン8TCX G列
2016/2/10 109シネマズ木場 シアター2 IMAX L列
2016/2/14 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7 TCX H列
2016/2/19 TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 IMAX I列


パンフレットはわからなかったところの補完にいいです。720円。

原作も日本語版と英語版を読み始めました。

原作日本語版は読了しました。ちょっと改変されているところはあるけど、ほとんど原作通りだし、映画としての見せ方がすごく上手にやってるなーって思いました。文章ならではの面白さもあるし、映像ならではの面白さもあるからね。スタンファンとしては、原作通りだったらなーっていう部分もあるのだけど…。