ヘイル、シーザー!

Hail, Caesar!(2016 Ethan Coen, Joel Coen)(東宝東和 2016年5月13日)

http://www.imdb.com/title/tt0475290/

俳優陣が豪華、でもちょっと人を選ぶ映画だよという評判から二の足を踏んでましたが、安い日に見ればいいか…などと失礼な感じで見に行ったら、大変面白かったです。


撮影監督/ロジャー ディーキンス

何でも屋マニックス/ジョシュ ブローリン
大スター俳優ウィットロック/ジョージ クルーニー
期待の大型新人ホビー ドイル/アルデン(オールデン) エーレンライク
はすっぱ美人女優ディアナ/スカーレット ヨハンソン

オフィシャルサイト


50年代のハリウッドの映画でかいスタジオ、大作の撮影中に主演俳優が誘拐される。何でも屋のマニックスが合間に就職活動しながら奮闘します。

それぞれちゃんとモデルとなる俳優とか監督とかいるみたいだけど、その辺はよくわからないまま観ましたけど、特定の人はわらかなくても50年代ってこんな感じよね、というのがわかっていれば楽しめるのでは…。

マニックスが若い女優さんのスキャンダルもみ消しから、誘拐された俳優の後始末から、プレスの対応までなんでもやるんですけど、そうしつつも、常に迷っていて、敬虔なクリスチャンで禁煙の誓いを破ったからと懺悔をしたりするんですよ。ボーダーラインの時のブローリンの強面とはちょっと違う疲れたお父さんみたいな感じがよかった。

だだっ広い敷地に巨大なスタジオが並ぶ姿がものすごく壮大。

それぞれのスタジオでそれぞれの映画を撮っているんだけど、セットもでかくてほんとにすごい。ちょっとしたお金ならすぐに用意しちゃうところとか、スケールでかいです。

何よりもこの映画で心奪われたのは、オールデン エーレンライクっていう俳優。観てから調べるまで知らなかったんだけど、この人が若きハン ソロをやる人なんですね。この人の人を惹きつける感がすごかった。見た目がすごくハンサムという感じではない(失礼)んだけど、ちょっとクラシックな佇まいとかまなざしとかかな…。運動神経抜群、手元を見ないでロープを八の字巻きしたり、投げ縄したり、これはハンソロじゃなくてインディジョーンズでは…。すごく大根役者であるということを前提にしているこの人の演技がすごい。

カウボーイ映画で人気の俳優でこれから全方面に売り出していこうっていうところで、ローレンツ監督(レイフ ファインズ)の作品に出るんだけど、そのやりとりが傑作だった。劇場が笑いに包まれたよ。その後のシーンで編集中のフィルムが流れるところがあるんだけど、そこで、がっつり心を掴まれたよ、間違えて言ったセリフがものすごく活きててハッとした(映画って…映画って…)編集してるのがフランシス マクドーマンドで、ここしか出てこないとか贅沢、そして体を張った一発ギャグ。

誘拐された先で共産主義者の脚本家たちにすっかり心酔してしまうスター俳優とか、共産主義者たちが応援していたのは、ミュージカル俳優(チャニング テイタム)だったとか。風刺がきつめ。

いつものセクシーヴォイスを封印してガラガラ声のはすっぱ女優をやったスカジョも良かったですね、本筋に全く関係なかったけど。

撮影監督がロジャー ディーキンスなんですけど、もうどうでもいいところで美しい引きの映像とか出てきて(マリブの海辺とか)別に無駄遣いではない。多分。十字架のセット(ゴルゴダかな)を見上げるマニックスの後ろ姿のカットとかが、無闇に美しくて胸を打つ。マニックスが信心深いから余計か。

ロッキード社のヘッドハンティングに、結果として応じない(待遇もいいし、仕事も楽になるのに)ところに映画愛を感じました。

出演者調べてて、クリストファー ランバートの名前があってびっくりした。嫁がいるのに若い女優に手を出すなって叱られてたのがそうだったのか!全く気が付かなかった。ミュージカルの監督だったっけ…。

ミュージカル部分はなんだかゲイゲイしい雰囲気で、チャニング テイタムがキラッキラしてました。


2016/5/16 TOHOシネマズ新宿 スクリーン3 E列(真ん中の通路脇がスクリーン中央になるタイプ)