ボーダーライン

Sicario(2015 Denis Villeneuve)(KADOKAWA 2016年4月9日)

http://www.imdb.com/title/tt3397884/

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最初に作品を知った時はシカリオだったので、そう覚えていたらいつの間にかボーダーラインとか邦題つけられているし、すごく気に入っていたポスターのビジュアルも使われていないし、もうなんだかなー…このグローバルの時代に…と思いました(ムビチケとかはこれだったのかな?)

上映開始10秒で、シカリオとは…みたいな説明が入るんですけどね…。なんで邦題つけた…。

この監督ドゥニ ヴィルヌーブの作品は、プリズナーズも複製された男もどっちもかなり好きだったので(あの不穏な感じが)楽しみにしていました。前情報はほとんど入れずに観ました。トレイラー観たくらい。


正義感に溢れた女性FBI捜査官のケイト メイサーが参加したメキシコの麻薬カルテルを撲滅するための作戦と、その作戦にリクルートされる理由となった捜査について描かれています。

ケイト(エミリー ブラント)は3年目のFBI捜査官、アリゾナにある組織のアジトと思われる場所に誘拐事件の捜査でやってきます。そこで遭遇したのは、人の仕業とは思われない光景、さらに、捜査官が犠牲になる爆破まで起きます。

その捜査をきっかけにか、政府機関がFBIにやってきて、ケイトを特殊部隊にリクルートしようとします。というか、志願させようとするんです(ずるいね)ケイトは相棒のレジー(ダニエル カルーヤ)とともに呼び出されていましたが、捜査チームの胡散臭いリクルーター、マット(ジョシュ ブローリン)はレジーは選ばず、ケイトだけをリクルートします。

ケイトは、今回の誘拐事件の発端である、麻薬カルテルの大ボスを潰すことができるということで参加を決めるのですが…。全体の作戦を説明されないまま、専用機で連れて行かれ、作戦に参加することになります。その時に専用機であったアレハンドロという男(ベニシオ デル トロ)は、無口で暗い目をしていて、自己紹介さえしようとしません。

とにかく全体に流れる男臭さ、エミリー ブラントが主演なんですが、実質の主演はベニシオ デルトロと思われます。

胡散臭いマットも、作戦に関しては、さらに胡散臭くてズル賢いところもありながら、一旦作戦に入ってしまえば才能を感じざるを得ません。いいよね、ジョシュ ブローリンのこの二面性のある感じ。

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ところどころに挟み込まれるメキシコの警官シヴィリオ(マクシミリアン ヘルナンデス)の家庭、ジリジリと暑い感じと、乾燥して埃っぽい感じ。光と影。

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全体を通して乾燥して暑く埃っぽい感じがあります。空撮も多く、作戦中には上空からの支援もあります。俯瞰で見せる画面や、カメラは動かず、被写体が横断したりするシーンがすごく多い。すごく好きだなー、広がりのある映像とか。撮影監督はロジャー ディーキンス(Roger Deakins)メキシコのフアレスでの容赦ない残虐な描写、特に市街地での処刑後のシーンとか、高速道路上での銃撃戦。全体的に暑苦しいほどに残虐な描写が多く、血も結構出てエグい。前半の緊張感は半端なく、なんども銃声にびっくりしてしまった。終盤の銃声もびっくりしたけど、あのシーンはちょっと平和すぎた。

レジーから、ブラどうにかしろよと言われたり、1週間同じグレーTシャツを着ていることを咎められたり、ケイトは女性であることを感じさせないようにしている節もあります。女性であることがハンデであることをほのめかしながらも、 だからといって心が折れそうになるものの、決して諦めることをしないまっすぐなケイトと、さらにその上をいくアレハンドロの闘いでもあるのです。

ケイトが中盤で、どんどん自分に自信がなくなっていく場面で、レジーの旧友の警官のテッド(ジョン バーンサル 出てきた時に、アラ?って思っちゃったけど)に嵌められそうになる(ダブルミーニグ)んですがその場面であっても、必要以上にケイトが女性であることについて作品の側から「女だから…」というムードは感じられません。無力感としては女性じゃなくても感じるだろうと思う。

とにかくですね、ベニシオがよいですよ。暗く影があって、ゴーストとか呼ばれてしまう。復讐に静かに燃える男、本当に容赦がない。無口で余計なことは喋らない…んだけど、ちょっとだけ優しさはある。優しさはあるけど、甘くはない。

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エミリー ブラントも、すごくいいです。この人いいなー、好きだなー。男性の中に混じって実践でガンガンいくっていうのがよく似合う。別に体型がいかついわけでもなんでもないんだけど、むしろ華奢なんだけど、でも強靭さを感じさせるし、意志の強さも感じさせる。

インディアン クリークっていうタバコが度々出てくるんですけど、どうやら実在はしないぽいんですよね。このタバコが禁煙できなくなったケイトが吸うシーンや、シヴィリオの部屋にカートンで出てきたりする。

全体的に低くてブンブンうなるような音楽で、これもすごく好きでした。音楽で煽ることはしないけど、緊張感を増幅させるような、引きの画の時によく合ってた。プリズナーズでも音楽をやっていたアイスランド出身の人、Jóhann Jóhannssonです。博士と彼女のセオリーの音楽もやってた人みたい。

字幕翻訳は松浦美奈さんでした。安定。


2016/04/09 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10 I列
2016/04/16 新宿ピカデリー スクリーン1 L列(ピカデリーのスクリーン1はこの列あたりがちょうどいい感じです←自分メモ)

それにしても、MCUに関係ある人が二人もたくさん出ててニヨニヨしてしまったよね。